HINOKAMI NEW BORN #3 予習レビュー|20PPMへ。火の神がついに「煙」を前へ出した

HINOKAMI NEW BORN #3のボトル。黒いラベルに NEWBORN #3 MALT ALC.50% PEAT 20 PPM BOURBON CASK の文字 ジャパニーズウイスキー
HINOKAMI NEW BORN #3。ラベルに「PEAT 20 PPM」「BOURBON CASK」(画像出典:PR TIMES/薩摩酒造)

1PPM、2PPM、そして——20PPM

鹿児島・枕崎の火の神蒸溜所が出す「HINOKAMI NEW BORN #3」の数字や。2026年10月2日発売、3,000本限定。

数字だけ並べたら、急にアクセルを踏み込んだように見えるやろ。せやけどワイが面白いと思たんは、そこやないねん。

この20PPMの煙、鰹節の街から来とるんや。

※これは公式情報をもとにした予習レビューやで。

HINOKAMI NEW BORN #1と#3のボトルを並べた写真。#1はPEAT 1 PPM、#3はPEAT 20 PPMと書かれている
左が#1(PEAT 1 PPM)、右が#3(PEAT 20 PPM)。下のラベルの色も赤から黒へ(画像出典:PR TIMES/薩摩酒造)

【結論】この一本の見どころ

  • ニューボーンシリーズの最終章。2026年10月2日発売・3,000本限定
  • フェノール値は#1の1PPM、#2の2PPMから一気に20PPM。ラベルにも「PEAT 20 PPM」と入っとる
  • 樽はバーボンカスク。#2で使うたオロロソシェリーは、今回は名前が出てへん
  • 狙いは「スモーキー」やのうて「スモーキーとエレガンスの共存」
  • 煙の着想は、枕崎の地場産業である鰹節を燻す煙
  • 来年出る予定のフラッグシップ「シングルモルト ジャパニーズウイスキー HINOKAMI」への道しるべ
HINOKAMI NEW BORN #3

HINOKAMI NEW BORN #3(200ml・50度)

参考小売価格:3,500円(税抜)/2026年10月2日 発売

3,000本限定。ネットでは税込3,850円で予約が出とった(2026年9月12日調べ)。

基本情報

商品名 HINOKAMI NEW BORN #3
蒸溜所 火の神蒸溜所(鹿児島県枕崎市)
製造元 薩摩酒造
原材料 モルト
容量・度数 200ml・50度
フェノール値 20PPM(※#1は1PPM、#2は2PPM)
バーボンカスク(ラベル表記)
発売日 2026年10月2日(金)
発売本数 限定3,000本
参考小売価格 3,500円(税抜)

ラベルを拡大して読むと、こう並んどる。NEWBORN #3 / MALT / ALC.50% BY VOL. / PEAT 20 PPM / BOURBON CASK。樽と煙の強さが、瓶の表に堂々と書いてあるわけや。

1PPM、2PPM、そして20PPM

まずはシリーズの流れを並べてみるで。

ボトル 発売 ピート 度数
NEW BORN #1 2025年10月 1PPM 1stフィル バーボンバレル(6樽をヴァッティング) 50度
まつり限定 2025 2025年11月 5PPM 1stフィル バーボンバレル(Cask No.521) 59度
NEW BORN #2 2026年4月 2PPM 1stフィル バーボンバレル/オロロソシェリーカスク 50度
NEW BORN #3 2026年10月 20PPM バーボンカスク 50度

ここ、ちょっと面白いことに気づかへん?

ニューボーンだけ見たら「1→2→20」や。せやけどその間に5PPMがおる。2025年11月、蒸溜所のウイスキーまつりで出した限定ボトルやねん。59度のシングルカスク、783本だけ。蒸溜所に来た人しか買えへん一本やった。

つまり、1PPM・2PPMの世界からいきなり20PPMが現れたわけやない。その間に5PPMの一本を、ちゃんと世に出しとるっちゅうことやな。

もうひとつ、見せ方が変わっとる。#2は「1stフィル バーボンバレル/オロロソシェリーカスク」と、樽の名前を前に出しとった。せやけど#3のラベルに並んどるんは「BOURBON CASK」と「PEAT 20 PPM」や。薩摩酒造の発表も「バーボン原酒を主体に」としたうえで、主役に置いとるんは20PPMの煙のほうやねん。

#2がシェリーで深みを見せた一本なら、#3は煙を前へ出してきた一本。そんな並びに見えるな。

なんで枕崎で「煙」なんや

ここがこの一本のいちばんええとこやと思う。

火の神蒸溜所がある鹿児島県枕崎市は、鰹節の街や。

鰹節っちゅうのは、カツオを何度も薪で燻して、水分を抜いて作る。煙で食べもんを仕上げる仕事が、この街には何十年も前からある。

薩摩酒造は#3について、枕崎の地場産業である鰹節を燻す煙にインスパイアされたと発表しとる。

スモーキーなウイスキーを造るだけなら、どこの蒸溜所でもできる。せやけど「なんでこの蒸溜所が煙をやるんか」に対して、「この街はもともと煙で仕事をしてきたから」という答えがある。これは強いで。

ちなみに蒸溜所のまつりでは、鰹の解体ショーをやったり、枕崎火の神太鼓の演奏があったりする。土地の顔がそのまま出とるイベントやな。

20PPMって、どれくらいの煙なん?

PPM(フェノール値)は、ざっくり言うと煙の強さの目安になる数字や。数字が大きいほど、煙の主張が強い方向になる。

ただし、ここはちょっと丁寧に読んだほうがええ。

薩摩酒造の書き方は「#1の1PPM、#2の2PPMから大幅にあげた20PPMでブレンドした」や。

つまりこの記事では、麦芽そのものを測った数字やのうて、ブレンド側の数字として20PPMを見ていくで。

よその蒸溜所が出すPPMは、麦芽そのものを測った数字のこともあれば、瓶の中身の数字のこともある。同じ土俵の数字とは限らんから、他所の銘柄と単純に足し算引き算はせえへんほうがええ。(※PPMの読み方は用語辞典で詳しく書いとるで)

それでも「1→2→20」という動き方から、今回は煙をかなり大事な要素として扱ったという方向は、はっきり読み取れる。

予習テイスティング

ここからは公式のノートと、ワイの予想を並べていくで。

👃 香り

📕 公式テイスティング(チーフブレンダー 百田農)

爽やかな煙、焼いたマシュマロやチョコレートの甘やかさ。ユリを思わせる華やかな花香。そこへパッションフルーツの明るさと、熟したリンゴの豊かな果実感が加わり、ほのかなスパイスとともに香りはゆっくりと深みを増していく。

🗣️ マッサンの予想

並んどる言葉を見てみ。煙、マシュマロ、チョコ、ユリ、パッションフルーツ、リンゴ。煙のまわりを甘いもんと花と果物が囲んどる形やな。煙が主役の顔して立っとるけど、ひとりで立っとるんやない。そういう香りやと予想するで。

👅 味わい

📕 公式テイスティング(チーフブレンダー 百田農)

口に含むと、ピートスモークが鮮やかに広がり、南国フルーツや夏みかんを思わせる瑞々しさが弾ける。続いて、バターを思わせるオイリーな甘みと焼きたての穀物の芳ばしさ、ほのかな旨味が幾重にも重なり合う。

🗣️ マッサンの予想

口に入れた瞬間に煙が来て、そのあと南国フルーツと夏みかんで一気に明るなる。そこへバターと焼いた穀物の香ばしさ。50度やから、味の輪郭もくっきり出てくると思うねん。煙で入って、果実で抜けて、穀物で着地する——そんな順番ちゃうかな。

🏁 余韻

📕 公式テイスティング(チーフブレンダー 百田農)

やがて訪れる煙の余韻は、夏祭りの残り火のように長く続き、枕崎が育んできた火と煙の文化へと思いを誘う。

🗣️ マッサンの予想

「夏祭りの残り火」っちゅう言い方がたまらんな。ボワッと燃えとる炎やのうて、片付けのころに残っとるあの匂いや。20PPMの煙が最後まで居座るというより、ゆっくり薄れながら長く残るんやと予想するで。

🗣️ マッサンの一言

ノートの言葉を並べとって、ワイがいちばん引っかかったんは「爽やかな煙」っちゅう表現やねん。煙に「爽やか」を付ける蒸溜所、なかなかおらんで。重くて黒い煙にするつもりやったら、絶対に選ばん言葉や。火の神が言い続けとる「エレガント」が、こんなとこにも効いとる気がするわ。🥃

ええとこと、気になるとこ

✅ メリット

  • 煙と果実を両方やろうとしとる:公式ノートに煙と南国フルーツと花が同居しとる。どっちかに寄せてへん
  • 200ml・3,500円で追いかけられる:シリーズを1本ずつ試すには、ちょうどええサイズと値段や
  • ラベルに数字が出とる:#1と並べたら「1 PPM」「20 PPM」が一目で分かる。変化が目で追える
  • 来年のフラッグシップの予告編になる:「スモーキーエレガンス」がどこへ着地するんか、先に覗ける

❌ デメリット

  • 3,000本の数量限定:気になってる人は、見かけたときが買いどきやな
  • 200mlで3,500円(税抜):700mlに換算したら12,000円を超える計算になる。小さい瓶やから手は出しやすいけどな
  • 熟成年数の表記が無い:年数を基準に値段を判断したい人には選びにくい
  • ラベルは「MALT」:シングルモルトともジャパニーズウイスキーとも書いてへん。その名前が付くんは、来年出る予定のフラッグシップのほうや

🗣️ マッサンの一言

ニューボーンって聞くと「完成品やないんやろ?」と身構える人もおると思う。せやけどワイは、この段階でしか飲まれへん味っちゅうのがあると思てるねん。同じ蒸溜所が3年後、5年後に出すもんとは、たぶん別の顔をしとる。あとから遡って飲むことができへん一本や。そう考えると、200mlという大きさも納得いくわ。🥃

火の神蒸溜所って、どんなとこ?

火の神蒸溜所の外観。コンクリートの建物と青空
鹿児島県枕崎市の火の神蒸溜所(画像出典:PR TIMES/薩摩酒造)

薩摩酒造といえば、焼酎の「さつま白波」で知られる会社や。設立は1936年(昭和11年)。その会社が2023年からウイスキー造りを始めたんが、この火の神蒸溜所やねん。

場所は枕崎。国内本土では、いちばん南にあるウイスキー蒸溜所になる。

設備がなかなかすごい。モルトとグレーンの両方を造れて、樽を寝かせる貯蔵庫があって、さらに樽工房(クーパレッジ)まで同じ敷地に持っとる。樽工房を自前で持っとる蒸溜所は、国内でも数か所しかない。

造りのほうも見どころがある。発酵ではエール酵母とディスティラリー酵母を併用して、約90時間。ポットスチルはランタン型で、初留釜3.2m・再留釜2.8m。ラインアームは細くて上向き10度や。

グレーンのほうは、焼酎造りで使うとった一次仕込みタンクをそのまま活用しとる。焼酎蔵の設備と知恵が、そのままウイスキーに流れ込んどるわけやな。

火の神蒸溜所のディスティラリーツアーの様子。無響室、製造設備、テイスティンググラス
ビジターセンターでは無響室でのテイスティング体験もできる(画像出典:PR TIMES/薩摩酒造)

2026年1月15日にはビジターセンターもオープンしとる。ここの目玉が無響室でのテイスティングや。

音の反響を極限まで消した部屋でウイスキーを飲む、という体験やねん。ただの演出かと思いきや、薩摩酒造は東京都立産業技術研究センターと一緒に研究までしとって、静かな環境ほど香りを識別しやすくなることを確かめたうえでやっとる。

開聞岳と枕崎の漁港を眺めながら飲める「RED bar」もある。見学ツアーは事前予約制やで。

この3本は、2027年への道しるべ

#3が最終章、と書いたけど、HINOKAMIが終わるわけやない。むしろここからが本番や。

薩摩酒造は来年、「シングルモルト ジャパニーズウイスキー HINOKAMI」をリリース予定としとる。そのフラッグシップに掲げるテーマが「スモーキーエレガンス」やねん。

ほな、3本を並べ直してみよか。

#1は明るさと鮮やかさ。バーボン樽で、果実の甘さを見せた。
#2は深みと余韻。オロロソシェリー樽を初めて足した。
#3は。20PPMまで上げて、前に出した。

明るさ、深み、煙。フラッグシップに要る材料が、これでひととおり出そろったことになる。

ここから先は、ワイの妄想やけどな。

このボトルのラベル、よう見たら薄い文字で「JOURNEY 0」と書いてあるねん。旅の0番目、や。

#1にも#3にも、同じ「JOURNEY 0」が入っとる。つまり火の神は、この3本をまだ旅が始まってへん場所に置いとるわけや。1でも2でもなく、ゼロ。

ほんなら「JOURNEY 1」はどこから始まるんやろな。たぶん来年のあのボトルからや。そう思て3本を見返したら、このニューボーンたちが急に長い物語のプロローグに見えてくるから不思議やわ。

💰 HINOKAMIの予約・在庫をチェック

#3は10月2日発売。#2ならいまも探せるで。

いつ、どこで買えるん?

発売日 2026年10月2日(金)
売り方 全国で数量限定
発売本数 3,000本
参考小売価格 3,500円(税抜)
ネットの実勢 税込3,850円で予約が出とった(2026年9月12日・楽天とYahoo!ショッピング調べ)
問い合わせ 薩摩酒造/火の神蒸溜所

いまのところ、ネットに出とる値段は参考小売価格そのまま(税込3,850円)やな。出荷前の予約という形で並んどる。3,000本という数を考えたら、発売してしばらくは動きが早いかもしれん。

🥃 ウイスキー専門店でも探す

品揃え豊富な専門店なら、レア銘柄や限定品も見つかりやすいで。価格を比べる時の選択肢に入れてみてな。
武川蒸留酒販売(山梨の洋酒専門店・品数豊富でコスパ◎)
MALKS(モルクス)(ベルーナ運営・希少/限定ボトルに強い)

📰 当サイトのガイド記事:ウイスキーを安く買う方法|5大通販ショップの賢い選び方(武川・MALKS・Amazon・楽天・Yahoo!の徹底比較)

まとめ

HINOKAMI NEW BORN #3は、火の神蒸溜所が初めて「煙」を前に出したニューボーンや。

1PPM、2PPM、そして20PPM。せやけど狙っとるんは煙の強さやのうて、「スモーキーとエレガンスの共存」のほうやねん。

しかもその煙は、枕崎が何十年も続けてきた鰹節を燻す火と煙から来とる。「火の神」という名前の蒸溜所が、最後のニューボーンでようやく火と煙を正面から語り始めた、っちゅうことやな。

200ml・50度・3,000本限定で、参考小売価格は3,500円(税抜)。発売は2026年10月2日や。

🗣️ マッサンの一言

ワイがいちばん楽しみにしとるんは、20PPMの煙と南国フルーツがどんな距離感で並ぶんか、や。煙が前に出たぶん、後ろの果実が消えてまうんか。それとも煙のすき間からちゃんと顔を出すんか。チーフブレンダーが「爽やかな煙」という言葉を選んどる以上、狙いはたぶん後者や。グラスの中で、焚き火の横に果物かごが置いてある——そんな絵が見えたら大成功やと思うで。🥃

🥃 HINOKAMIを手に入れる

本土最南端の蒸溜所が、煙を前に出した一本。

よくある質問

Q1. ニューボーンって、ウイスキーとちゃうん?

ウイスキーやで。ただし若い段階の原酒を指す呼び方や。火の神蒸溜所は2023年からウイスキー造りを始めとるから、この3本はどれもまだ若い。

ラベルにも「MALT」とだけ書いてある。シングルモルトともジャパニーズウイスキーとも名乗ってへん。その名前が付くんは、来年出る予定の「シングルモルト ジャパニーズウイスキー HINOKAMI」のほうやな。(※ニューメイク・ニューボーンの説明は用語辞典で)

Q2. 20PPMって、アイラのウイスキーと比べたら強いん?

それがな、そのまま比べられへんのや

火の神は「20PPMでブレンドした」と書いとる。一方、よその蒸溜所は麦芽のフェノール値としてPPMを出すことがあるんや。測っとる段階がそろってへん数字を並べても、煙の強さの比較にはならへん。

Q3. #1や#2は、まだ買えるん?

#1・#2ともに3,000本の数量限定やった。2026年9月12日に見たときは、#2はまだネットに並んどったで(税込3,850円)。

#1はWorld Whiskies Awards 2026のJapanese New Make & Young Spirit部門で、Young Spiritのカテゴリーウィナー、TWSC2026ではジャパニーズクラフトウイスキー ニューボーン部門のジャパングランプリを獲っとる。見かけたらラッキーな一本やな。

公式情報・参考リンク

📖 この記事に出てきた用語(タップで辞典へ)

分からん言葉があったら、ここから用語辞典でサクッと確認してな。

ピート/ピーテッド…泥炭(ピート)で麦芽を燻して付ける、焚き火や正露丸みたいなスモーキーな香りのことや。

ppm(フェノール値)…スモーキーさの強さを表す数字。数字が大きいほど煙の主張が強い目安になる。

シェリー樽…スペインの酒精強化ワイン「シェリー」を熟成させた樽や、ウイスキー用にシェリーで風味づけ(シーズニング)した樽。中身のシェリーの種類で味の向きが変わるんや。

オロロソ(シェリー樽)…酸化熟成でつくる辛口のシェリー。この樽で寝かせたウイスキーに、ドライフルーツ・ナッツ・黒糖みたいなコクのある風味が移るで。

ヴァッティング…同じ種類の原酒どうし(モルトならモルト同士)を混ぜ合わせて、香りや味を組み立てる作業のことや。

バーボン…アメリカ生まれのウイスキー。コーン51%以上+焦がした新樽(バレル)熟成が主な条件やで。

ジャパニーズウイスキー…日本国内で採水した水を使い、糖化・発酵・蒸留も国内で。700L以下の木製樽で国内3年以上寝かせて、瓶詰めも国内・40度以上——これが表示基準の要件やで。

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