88年熟成。
ウイスキーの数字を見て二度見することは、そうそう無い。今回のはその、そうそう無いほうや。
ザ・バルヴェニーが「ウイスキー史上最も長い熟成期間」として発表したんが、1931年に蒸溜して2019年に瓶詰めした88年もの。世界で17本だけや。
……で、こいつは日本では売らへん。
せやけど話はここで終わらへんねん。この88年を真ん中に置いて、12年と15年が一緒に作られた。それが「THE 1931 COLLECTION」や。ほんで日本に来るんは、12年。2026年11月中旬の予定やで。
※これは公式情報をもとにした予習レビューやで。

【結論】この一本の見どころ
- ✅100%自家製麦(フロアモルティング)の大麦だけで造った12年。ラベルにも「Made from 100% HOME MALTED BARLEY」と入っとる
- ✅アメリカンオーク樽で寝かせて、最後は88年ものと同じヘレス産のシェリー樽で仕上げ
- ✅ラベル表記は47.5%・700ml。定番の12年より度数が高い
- ✅1931コレクションは3本組。88年は日本発売なし・15年は免税店限定やから、日本で買えるんは12年だけ
- ✅日本発売は2026年11月中旬の予定。価格はまだ発表されてへん
ザ・バルヴェニー 1931コレクション 12年(700ml・47.5%)
価格:未発表(2026年11月中旬に日本発売予定)
数量限定。まずは定番のバルヴェニーで蒸溜所の味を掴んどくのもアリやで。
基本情報
| 商品名 | ザ・バルヴェニー 1931コレクション 12年 |
| 蒸溜所 | ザ・バルヴェニー蒸溜所(スコットランド・バンフシャーのダフタウン) |
| 種類 | シングルモルト スコッチウイスキー |
| 熟成年数 | 12年 |
| 原料 | 100%自家製麦(フロアモルティング)の大麦のみ |
| 樽 | アメリカンオーク樽で熟成 → ヘレス産のシェリー樽(ヨーロピアンオーク)で仕上げ |
| 容量・度数 | 700ml・47.5%(ラベル表記) |
| モルトマスター | ケルシー・マッケニー |
| 日本発売 | 2026年11月中旬 予定・数量限定 |
| 価格 | 未発表 |
| 輸入元 | ブラウンフォーマンジャパン |
ちなみに、日本のプレスリリースにも海外の発表にも価格は一行も出てへん。11月に近づいたら分かるはずやから、そこは待ちやな。
1931コレクションは、3本セットで考える

| 項目 | 12年 | 15年 | 88年 |
|---|---|---|---|
| 大麦 | 100%自家製麦 | 100%自家栽培+自家製麦 | 公表なし |
| 樽 | アメリカンオーク→ヘレス産シェリー樽 | アメリカンオーク→ヘレス産シェリー樽 | カスクNo.239ひとつだけ |
| 本数 | 数量限定 | 数量限定 | 17本 |
| どこで買える | 日本(11月中旬予定) | 世界の免税店限定(9月〜) | プライベートクライアント/コレクター向け・日本発売なし |
この表、横に読んでほしい。年数の上下やのうて、いちばん左の「大麦」の行を見るんや。
12年は製麦を自分らでやった大麦。15年は栽培から製麦まで自分らでやった大麦。同じシリーズの中で、15年のほうが自分らの手が入る範囲がひとつ広いんや。
ほんで88年は、大麦のことは公表されてへん。分かっとるんは1931年に職人たちの手で蒸溜された原酒やということ。この行では、12年・15年と並べて比べられる一本やないな。
88年って、どういうことなん?
この88年、当時の手書きの記録が残っとる。
1931年3月5日。スペイン・ヘレスで仕入れたヨーロピアンオークのシェリー樽——カスクNo.239に、原酒が詰められた。
そこから88年、その樽のままや。途中で別の樽に移して仕上げる、みたいなことはしてへん。ひとつの樽で88年寝続けた。
2019年、いまのモルトマスターのケルシー・マッケニーが「時が来た」と判断して瓶詰めを指示。出来上がったんは17本だけやった。
本人はこう言うとる。
2019年のある朝、私は完璧に熟成されたウイスキーに出会いました。その中身、そして存在意義において格別なそのウイスキーを、私はボトリングし、厳重に保管するよう静かに指示しました。
2019年に詰めて、世に出てくるんが2026年。瓶の中で7年待っとったことになる。なんでそんなに寝かせたんかは、公式は説明してへん。そこは分からんままや。
なんで「1931年」やねん

1931年ていうたら、世界恐慌のまっただ中。アメリカでは禁酒法が続いとって、ウイスキー業界はガタガタやった時期や。
その年に、バルヴェニーは自社のモルティングフロアを動かし始めた。商売がいちばんしんどい年に、製麦を自分らでやる設備に手を出したわけやな。
ブラウンフォーマンの案内では、この手作業の製麦こそが、バルヴェニーらしい蜂蜜みたいな甘さの源やと説明されとる。1931年に始めた仕事が、いまのハウススタイルを作っとる、っちゅう話や。
ほんで、1931コレクションの12年と15年は、その製麦を100%自分らでやった大麦だけで造られとる。1931年に始めた仕事を、いまの原酒でもう一回やってみた——そんな並びに見えるで。
ちなみにバルヴェニーが自慢しとる「5つの稀少なクラフツマンシップ」はこの5つや。大麦の自家栽培/伝統的なフロアモルティング/樽職人(クーパー)/銅職人(コッパースミス)/モルトマスターの直感。樽と銅の職人が蒸溜所に常駐しとるっちゅうんは、いまどきかなり珍しいで。
🍷 予習テイスティング
先に断っとくと、公式が細かいノートを出しとるんは88年のほうや。12年については短いコメントしか無い。ここでは両方を並べて、そこから12年を予想していくで。
👃 香り
📕 公式テイスティング(ザ・バルヴェニー)
【88年】ザ・バルヴェニーの息吹。象徴的な蜂蜜の香りに、ほのかなミントの葉、バターファッジが、かすかな土の香りと絡み合い、フローラルなヘザー、湿ったワラビ、使い込まれたレザーのニュアンスが漂います。長い年月が醸し出す、静かな気品をたたえた香りです。
※12年の香りだけを取り出したコメントは出てへん。
🗣️ マッサンの予想
88年のほうは、もう香りの時点で森の中みたいやな。土、ヘザー、湿ったワラビ、使い込まれたレザー。88年ぶんの時間が全部乗っとる感じや。
ほな12年はどうか。ワイの予想はもっとまっすぐな蜂蜜。バルヴェニーの看板がそこやし、樽の仕上げがヘレスのシェリーやから、そこにドライフルーツっぽい甘さが重なってくるんちゃうかな。
👅 味わい
📕 公式テイスティング(ザ・バルヴェニー)
【12年】蜂蜜と繊細なスパイスが重なり合い、リッチで滑らかな仕上がりです。ザ・バルヴェニーのクラシックなハウススタイルを稀少な形で表現した、洗練された味わいです。
【88年】リッチでアロマティックなオークが、クリーミーなトフィー、ベルベットのような蜂蜜、温かみのあるスパイスへと流れ込み、ヘザーや森のシダの深みがゆっくりと現れます。
🗣️ マッサンの予想
12年のほうの言葉が「蜂蜜」と「繊細なスパイス」の2つに絞られとるのが、かえって分かりやすいわ。奇をてらわず、バルヴェニーのど真ん中を出してくるっちゅうことやろな。
気になるんは47.5%という度数や。定番の12年より高いぶん、蜂蜜の甘さがベタッとせんと、輪郭のある甘さになっとるんちゃうかと予想するで。
🏁 余韻
📕 公式テイスティング(ザ・バルヴェニー)
【88年】そのフィニッシュは、長くドライです。
※12年の余韻については、公式に記載が無い。
🗣️ マッサンの予想
88年が「長くドライ」で締めるんは、なんか納得してまうな。甘さで終わらんところに88年ぶんの落ち着きを感じるわ。
12年のほうは、ヘレスのシェリー樽で仕上げとるぶん最後まで甘さが残るタイプやと予想しとる。ドライに切れる88年と、甘く終わる12年。同じ樽の系統でも、時間でここまで変わるんやったら面白いわな。
🗣️ マッサンの一言
88年ものが世界に17本しかない、と聞いても正直ピンとこーへん。せやけど「1931年3月5日に、カスクNo.239に詰めた」と日付と樽番号で言われた瞬間、急に手触りが出てくるやんか。その日に樽詰めした職人さんは、88年後に誰かが飲むなんて思てへんかったはずや。ワイはそこにグッときたで。
箱が最初から古びとる
今回、アーティストのダニエル・アーシャムが組んどる。88年のために彫刻を作った人や。
その彫刻がなかなか凝っとる。それぞれ10年を表す8つの層で出来とって、裏面には88年ぶんの88層のオーク材。中央には役目を終えた蒸溜器から作った銅の円盤が埋め込まれとる。蒸溜所の歴史の断片を、そのまま作品に入れ込んだわけやな。
ほんで12年と15年の箱も、この彫刻とつながっとる。
外側は銅色で、そこから緑が浮かんどるやろ。あれは緑青(ろくしょう)——銅が時間とともに酸化して出てくる、あの緑や。
つまり新品の箱やのに、最初から古びとる。ふつう高級ウイスキーの箱はピカピカに作りたなるはずやのに、逆をやっとるんやな。
床で麦を返す職人の手、銅の蒸溜器、木の樽、酸化した銅。どれも時間が経つと変わるもんばっかりや。88年というテーマに、箱の色まで合わせにきとる。
🗣️ マッサンの一言
ワイ、この緑の箱がめっちゃ好きやねん。ウイスキーを飾るための箱やのうて、「時間が物をどう変えるか」を箱でもやっとるように見えるからな。中身が88年の物語なんやから、外側もそうあるべきやろ、という理屈が通っとる。ここまで筋を通されると、飲む前から拍手したなるわ。
ええとこと、気になるとこ
✅ メリット
- ✅1931コレクションで日本に来る唯一の1本:88年は日本発売なし、15年は免税店限定
- ✅100%自家製麦の大麦だけ:フロアモルティングを続けとる蒸溜所は、いまや数えるほどしか無い
- ✅仕上げの樽が88年ものと同じ系統:ヘレス産のシェリー樽。頂点の一本と地続きになっとる
- ✅47.5%:定番の12年より高い。加水して開き方を追う遊びもできる度数や
❌ デメリット
- ❌価格がまだ分からん:日本でも海外でも一行も出てへん。予算が立てられへん
- ❌味の情報がとにかく少ない:12年について公式が出しとるんは「蜂蜜と繊細なスパイス」まで
- ❌数量限定+一部の国だけ:日本の割り当てがどれくらいかも案内されてへん
- ❌88年は完全に別世界:17本+日本発売なし。この記事を読んでも飲む道は無いで
いつ、どこで買えるん?
| 日本発売 | 2026年11月中旬の予定(日付までは発表されてへん) |
| 扱い | 数量限定・一部の国でのみ販売 |
| 価格 | 未発表 |
| 15年 | 2026年9月より世界中の免税店限定。日本の店頭には並ばへん |
| 88年 | プライベートクライアント/コレクター向け・日本発売なし |
免税店限定の15年は、海外旅行に行く人なら手が届く可能性がある。100%自家栽培+自家製麦という、12年よりさらに絞り込んだ一本やからな。空港で見かけたら、それはなかなかの出会いやで。
🥃 ウイスキー専門店でも探す
品揃え豊富な専門店なら、レア銘柄や限定品も見つかりやすいで。価格を比べる時の選択肢に入れてみてな。
▶ 武川蒸留酒販売(山梨の洋酒専門店・品数豊富でコスパ◎)
▶ MALKS(モルクス)(ベルーナ運営・希少/限定ボトルに強い)
📰 当サイトのガイド記事:ウイスキーを安く買う方法|5大通販ショップの賢い選び方(武川・MALKS・Amazon・楽天・Yahoo!の徹底比較)
まとめ
88年、17本、日本発売なし。頂点の一本は、正直こっちの世界の話やない。
せやけどバルヴェニーは、その88年を真ん中に置いて12年と15年を一緒に作った。しかもどっちも、1931年に動き出したフロアモルティングで製麦した大麦だけで。
その12年が、11月中旬に日本へ来る。
100%自家製麦の大麦に、88年ものと同じヘレス産のシェリー樽での仕上げ。ブラウンフォーマンが「88年と同様の手法で製造」と言うとる12年が、どんな顔で出てくるか——ワイが知りたいのは、そこやな。
🗣️ マッサンの一言
価格も出てへんし、味の情報も少ない。正直、いまの時点で分かっとることは多ないんや。せやのに気になってしゃあないのは、この12年が「88年の代わり」やのうて「88年と同じやり方で造った、いま飲めるほう」やからやと思う。1931年に始めた仕事が、いまも同じ床で続いとる。それを700mlで確かめられるっちゅうのは、なかなかええ話やんか。11月、楽しみに待っとくで。
よくある質問
Q1. フロアモルティングって、そんなにすごいことなん?
大麦を床にぶわーっと広げて、水を吸わせて発芽させて、人が手で返していく製麦のやり方や。機械でやるより手間も場所も要る。
いまのスコッチはたいてい、専門の製麦会社から麦芽を買うてくる。自分とこの床で製麦を続けとる蒸溜所は、数えるほどしか残ってへんのが実情やねん。
バルヴェニーはそれを1931年から続けとって、しかも今回の12年はその自家製麦の大麦だけで造っとる。そこが「稀少」と言われとる理由やな。
Q2. 定番のバルヴェニー12年とは別もん?
別もんやで。今回のは「1931コレクション」という限定シリーズの12年や。
ちがいがいちばんはっきり出とるんが原料と度数やな。100%自家製麦の大麦だけを使うとって、ラベル表記は47.5%。仕上げの樽もヘレス産のシェリー樽と指定されとる。
定番のほうを飲んだことがある人ほど、同じ12年でどこがどう動くかを確かめたなる一本やと思うで。
Q3. 88年ものは、どうやったら飲めるん?
正直に言うと、道はほぼ無い。
世界で17本。しかも限られたプライベートクライアントとコレクター向けに提供される、と案内されとる。日本での販売予定も無い。
せやからこの記事も、88年は「見て楽しむもん」として書いとる。手に取れるほうの12年に、ちゃんと同じ仕事が入っとるっちゅうのが、今回のいちばんの救いやな。
公式情報・参考リンク
📰 ザ・バルヴェニー・ブラウンフォーマンジャパンのプレスリリース
※この記事の写真は画像出典:PR TIMES(ブラウンフォーマンジャパン株式会社)。容量・度数はボトル画像のラベル表記から。
価格・スペック・発売情報は本記事執筆時点のもの。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
📖 この記事に出てきた用語(タップで辞典へ)
分からん言葉があったら、ここから用語辞典でサクッと確認してな。
シェリー樽…スペインの酒精強化ワイン「シェリー」を熟成させた樽や、ウイスキー用にシェリーで風味づけ(シーズニング)した樽。中身のシェリーの種類で味の向きが変わるんや。
オーク…ウイスキー熟成の主要樽材。アメリカン(甘いお菓子系)/ヨーロピアン・スパニッシュ(濃厚ドライフルーツ系)/ミズナラ(和のお香系)/フレンチ(上品スパイス系)などの樽材で香味の方向性が決まる。
アメリカンオーク…バーボン樽の主役(Quercus alba)。バニリンとラクトンが豊富で、バニラ・ココナッツ・キャラメル系の甘い樽香を生む。世界のウイスキーの主力熟成樽やで。
スパニッシュオーク(ヨーロピアンオーク)…シェリー樽の伝統主役(Q.robur/Q.petraea)。タンニンが多く濃厚ドライフルーツ・スパイス・深い色合いを生む。マッカランやグレンファークラスの看板素材や。
スコッチ…スコットランド産・3年以上熟成のウイスキー。世界5大ウイスキーの主役で樽芸術の本場や。
シングルモルト…単一蒸溜所のモルト原酒だけで作るウイスキー。蒸溜所の個性がそのまま出る。
モルティー…麦芽・焼きたてパン・シリアル・ビスケット系の香味。余市・宮城峡・モートラックの代表的な穀物感や。


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