アイラ島のキルホーマン蒸溜所から、いつでも買える定番の新しい1本が出たで。名前は「ロックサイド11年」。キルホーマンの定番で、熟成年数をラベルに書いたボトルはこれが初めてや。
いちばんの特徴は、大麦を自分らで育てとること。蒸溜所の農場で育てた大麦を、製麦(※1)から蒸溜、熟成、瓶詰めまで、全部その農場でやっとる。アイラでこれができるんは、キルホーマンだけなんや。
ピート(※2)は20ppm(※3)。キルホーマンは、これを「ライトピート(軽めのピート)」と呼んどる。香りはオレンジやレモンピールの柑橘に、蜂蜜とエルダーフラワー(ニワトコの白い花)。そこへ、潮の香りがまじったピートの煙が、ほんのり加わる。
(※1)製麦=大麦を水にひたして芽を出させ、乾かして麦芽にする作業。乾かすときにピートを焚くと、煙の香りがつく。くわしくはモルトの用語記事へ
(※2)ピート=泥炭。これを焚いて麦芽をいぶすと、焚き火みたいな煙の香りがつく。くわしくはピートの用語記事へ
(※3)ppm=麦芽にしみこんだ、煙の香りのもとになる成分(フェノール類)の量の目安。数字が大きいほど、ピートが強い。くわしくはppmの用語記事へ
キルホーマン ロックサイド11年(700ml・46%)
通販の実勢:約8,000〜8,800円(税込・送料込み)
キルホーマンの定番で初めての年数表記。農場で育てた大麦で造る、20ppmのアイラ シングルモルト。
【結論】こんな人におすすめ
- ✅アイラのピートは好きやけど、煙は控えめにして、果物の甘さも楽しみたい人
- ✅キルホーマンの煙の強い定番を飲んで、ほかの顔も見てみたい人
- ✅「どこの畑の麦で造ったか」まで分かるウイスキーに、ロマンを感じる人
- ✅1万円以内で、アイラのシングルモルトの11年ものを探しとる人
キルホーマン ロックサイド11年の基本情報
| 商品名 | キルホーマン ロックサイド11年(Kilchoman Rockside 11 Years Old) |
| 蒸溜所 | キルホーマン蒸溜所(スコットランド・アイラ島) |
| タイプ | アイラ シングルモルト スコッチウイスキー |
| 熟成年数 | 11年 |
| 樽 | バーボン樽(※1)とシェリー樽(※2)(割合は発表なし) |
| ピート | 20ppm(ライトピート) |
| 大麦 | 蒸溜所のロックサイド農場で育てたもの |
| アルコール度数 | 46% |
| 内容量 | 700ml |
| 仕様 | ノンチルフィルタード(※3)・無着色(ラベルの表記) |
| 発表 | 2026年6月30日(英国・ヨーロッパから順に発売) |
| 通販の実勢 | 約8,000〜8,800円(税込・送料込み) |
| 所有会社 | キルホーマン蒸溜所(ウィルズ家の家族経営) |
| 日本の輸入元 | ウィスク・イー |
(※1)バーボン樽=アメリカでバーボンを寝かせたあとの樽。バニラや蜂蜜のような甘い香りがつきやすい。くわしくはバーボン樽の用語記事へ
(※2)シェリー樽=スペインのお酒、シェリーを寝かせたあとの樽。ドライフルーツやナッツのような香りがつきやすい。くわしくはシェリー樽の用語記事へ
(※3)ノンチルフィルタード=瓶詰めの前に、冷やして濾過する工程をはぶいたもの。香りや口当たりのもとになる成分が残る。くわしくはノンチルフィルタードの用語記事へ
年に1回の「100%アイラ」を15回重ねて、11年の定番に
キルホーマン蒸溜所は2005年に、アンソニー・ウィルズと奥さんのキャシーが2人で始めた、家族経営の蒸溜所や。いまは3人の息子さんも加わって、家族みんなで回しとる。
場所はアイラ島の北西の海沿い。ロックサイド農場の、昔ながらの建物の中にある。
2人がやりたかったのは、農場でウイスキーを造る昔ながらのやり方を、よみがえらせること。自ら「アイラの農場蒸溜所」と名乗っとる。
ロックサイド農場で最初に大麦を収穫したんは、2004年。そこから、農場で育てた大麦のウイスキーが「100%アイラ」の名前で、年に1回だけの限定品として15回出てきた。
創業者のアンソニー・ウィルズは、その15回で原酒の育ち方を見ながら、定番にするタイミングを待っとったと話しとる。最初の収穫から20年以上。そうして出てきたのが、このロックサイド11年なんや。
アンソニーの言葉で、いちばん心に残ったんがこれ。
「蒸溜所や熟成庫の仕事はまねできる。けど、ロックサイド農場とロックサイドの大麦は、まねできへん」
麦を育てるところから自分らでやっとるからこそ、言える言葉やな。
マキヤーベイと何がちがう? ピートは半分以下
キルホーマンのフラッグシップは、マキヤーベイ。こっちのピートは50ppmで、キルホーマン自身が「ヘビーピート」と呼ぶ煙の強いタイプや。
一方のロックサイドは20ppm。煙を控えめにすることで、麦の味や原酒の繊細なところが前に出てくる、とキルホーマンは言うとる。
樽はどっちも、バーボン樽とシェリー樽。マキヤーベイはバーボン樽を多めにブレンドしとる。ロックサイドの割合は、発表されてへん。
キルホーマンのテイスティングノートには、オレンジや蜂蜜、塩キャラメル、バタースコッチ(バターと砂糖を煮つめたキャラメルのようなお菓子)と、バーボン樽を思わせる甘い言葉が多い。そこに、くるみみたいな香ばしさも混ざる。
せやから、ロックサイドもマキヤーベイと同じで、バーボン樽が味の中心なんちゃうかな。シェリー樽は、そこに香ばしさや奥行きを足す役やと予想するで。
予習テイスティング
👃 香り
📕 公式テイスティング
オレンジ、レモンピール、華やかなエルダーフラワー、蜂蜜の甘さ、潮の香りがまじった煙
🗣️ マッサンの予想
最初に来るんは、オレンジとレモンの皮のきゅっと明るい柑橘ちゃうかな。そこに、エルダーフラワーの白い花の香りと、蜂蜜の甘さがふわっと重なる。煙は潮の香りがまじったピートの煙で、前に出るより、奥のほうでほのかに香る程度やと予想するで。
👅 味わい
📕 公式テイスティング
柑橘、トロピカルフルーツ、麦芽糖の飴、トフィーアップル(キャラメルをからめたりんご)、塩キャラメルの甘さ、ほのかなピートの煙
🗣️ マッサンの予想
口に入れたら、まず柑橘とトロピカルフルーツのジューシーさが広がるんちゃうかな。中盤は、麦芽糖の飴とトフィーアップルの甘さ。46%の飲みごたえもあって、軽いだけの甘さやのうて、とろっとした厚みもあると思うねんな。最後に塩キャラメルのしょっぱ甘さと、ほのかなピートが顔を出して、アイラのモルトやと思い出させてくれそうや。
🏁 余韻
📕 公式テイスティング
バタースコッチ、くるみ、長く続くジューシーな柑橘、ストーンフルーツ(桃やあんずのような、種のある果物)
🗣️ マッサンの予想
バタースコッチのこっくりした甘さに、くるみの香ばしさが続く。そのあと、ジューシーな柑橘と桃みたいな果物が、すうっと長く残るんちゃうかな。煙で終わるんやのうて、果物で終わる余韻やと予想するで。
🗣️ マッサンの一言
柑橘にトロピカルフルーツ、塩キャラメル。煙は奥のほう。潮とピートの効いたマキヤーベイとは、だいぶ顔つきがちがいそうや。オレンジの皮をむいたときみたいな香りが、ふわっと立つ……想像しただけでニヤけてまうわ。
🧐 へぇ〜! ボトル豆知識(タップで開く)
① 大麦の種まきは、5万羽のガンが島を出てから
アイラ島には、冬のあいだ5万羽ものガンが渡ってくる。キルホーマンが大麦の種をまくのは春、このガンたちが島を飛び立ってからや。まいた種をついばまれたら困るからちゃうかな。収穫は9月のはじめ。ウイスキー造りは、この収穫から始まるんや。
② 麦のしぼりかすは、農場の牛のごはん
ロックサイド農場は2,300エーカー(約930ヘクタール)。いちばん肥えた440エーカーが大麦の畑で、ほかの土地には羊と牛がおる。西側で育つアバディーン・アンガスの牛が食べるのは、海辺の草地の草と、ドラフ。ドラフは、麦芽からウイスキーのもとになる甘い液を取ったあとの、麦のしぼりかすや。畑の麦がウイスキーになって、残りは牛のごはんになる。農場の中で、ぐるっと回っとるんやな。
③ 定番の名前は、アイラの場所の名前
フラッグシップのマキヤーベイは、アイラ島でいちばん見事な浜辺の名前から。2kmほど続く砂浜や。そしてロックサイドは、蒸溜所が建っとる農場そのものの名前。自分らの足もとの名前を、11年の1本に付けたわけや。
メリット・デメリット
✅ メリット
- ✅畑から瓶詰めまで1か所の1本を、定番で飲める:これまで年に1回の限定品やった「100%アイラ」の造り方が、いつでも買える定番になった
- ✅熟成年数が分かる:キルホーマンの定番で初めての年数表記。11年ものと分かって選べる
- ✅アイラのピートが心配な人も手を出しやすい:20ppmは、キルホーマンのマキヤーベイの50ppmの半分以下
- ✅46%・ノンチルフィルタード:香りや口当たりのもとになる成分を残した造りで、46%の飲みごたえも楽しめる
❌ デメリット
- ❌マキヤーベイより高い:通販の実勢は送料込みで約8,000〜8,800円。マキヤーベイは6,000円台から見つかる
- ❌煙をガツンと浴びたい人には物足りんかも:強いピートを求めるなら、50ppmのマキヤーベイのほうが向いとる
🗣️ マッサンの一言
マキヤーベイより値は張るけど、そのぶん11年じっくり寝かせた原酒で、麦は自分らの畑で育てたもんや。そう思えば、納得の値段ちゃうかな。煙をしっかり浴びたい日はマキヤーベイ、果物の甘さを楽しみたい日はロックサイド。そうやって選び分けるのも楽しそうや。
キルホーマンのほかのボトルと比べると
定番の2本と、ロックサイドのもとになった100%アイラの最新作を並べると、こうなる。
| 項目 | ロックサイド11年 | マキヤーベイ | サナイグ | 100%アイラ 15thリリース |
|---|---|---|---|---|
| 売り方 | 定番 | 定番 | 定番 | 年1回の限定品 |
| 熟成年数 | 11年 | 表記なし | 表記なし | 9年 |
| ピート | 20ppm | 50ppm | 50ppm | 約20ppm |
| 樽 | バーボン樽とシェリー樽 | バーボン樽が多め+シェリー樽 | オロロソシェリー樽が多め+バーボン樽 | バーボン樽(54樽) |
| 度数 | 46% | 46% | 46% | 50% |
おすすめの飲み方
まずはストレートで。46%のまま、オレンジとレモンの皮の香りがどこまで立つかを見ておきたい。
次は、水を数滴ずつ足す加水(※1)。ノンチルフィルタードやから、水を足すと少し白く濁ることがある。濁っても味が落ちたわけやないから、安心してな。蜂蜜やエルダーフラワーの香りが、前に出てくるんちゃうかな。
水割りもええと思う。煙が軽いぶん、薄めても柑橘と麦の甘さがすっと伸びそうや。
ハイボールにするなら、強めの炭酸で。トロピカルフルーツの香りが泡に乗って、ごはんにも合わせやすいと思うで。
(※1)加水=ウイスキーに少しずつ水を足して飲むこと。香りがひらいて、感じ方が変わる。くわしくは加水の用語記事へ
🥃 ウイスキー専門店でも探す
品揃え豊富な専門店なら、レア銘柄や限定品も見つかりやすいで。価格を比べる時の選択肢に入れてみてな。
▶ 武川蒸留酒販売(山梨の洋酒専門店・品数豊富でコスパ◎)
▶ MALKS(モルクス)(ベルーナ運営・希少/限定ボトルに強い)
📰 当サイトのガイド記事:ウイスキーを安く買う方法|5大通販ショップの賢い選び方
まとめ|畑の麦の味を前に出した、キルホーマンの新しい定番
キルホーマン ロックサイド11年は、蒸溜所の農場で育てた大麦を、瓶詰めまで農場で仕上げたシングルモルト。年に1回の「100%アイラ」を15回重ねて、いつでも買える11年の定番になった。
ピートは20ppmで、柑橘とトロピカルフルーツ、塩キャラメルの甘さが主役。キルホーマンの煙の奥に隠れとった、麦と果物の味が前に出てくる1本やと予想するで。
🗣️ マッサンの一言
煙の強いアイラが好きな人のひと休みの1本にも、これからアイラを飲む人の最初の1本にも、ちょうどええと思うで。家でゆっくり、まずはストレートで。農場の名前を背負った11年もの、ラベルを眺めながら飲むだけでロマンあるなぁ。
よくある質問
Q. 100%アイラと中身は同じ?
A. 造り方の考え方は同じで、どっちも農場で育てた大麦を、製麦から瓶詰めまで農場で仕上げとる。ちがうのは売り方で、100%アイラは年に1回の限定品、ロックサイド11年はいつでも買える定番や。年数・度数・樽のちがいは、上の比べる表を見てな。
Q. 名前に「11年」が入るキルホーマンは、ほかにもある?
A. あるで。限定品にも11年ものが出とる。ロックサイド11年は、いつでも買える定番で初めての年数表記。ラベルの「ROCKSIDE」の文字が目印や。
Q. 日本で買える?
A. 正規品が入ってきとる(輸入元はウィスク・イー)。通販の実勢は、送料込みで約8,000〜8,800円や。
公式情報・参考リンク
📰 キルホーマン蒸溜所・輸入元の公式サイト
- Kilchoman Distillery:Rockside 11 Years Old(商品ページ)
- Kilchoman Distillery:Rockside 11 Years Old(2026年6月30日の発表)
- Kilchoman Distillery:Our Farm Distillery
- Kilchoman Distillery:Machir Bay
- Kilchoman Distillery:Sanaig
- ウィスク・イー:キルホーマン100%アイラ 15thリリース
- The Spirits Business:Kilchoman adds Rockside 11YO to core range(2026年7月6日)
※アイキャッチ画像出典:キルホーマン蒸溜所(ロックサイド11年の発表資料)
※価格・スペック・発売情報は本記事執筆時点のもの。
最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
📖 この記事に出てきた用語(タップで辞典へ)
分からん言葉があったら、ここから用語辞典でサクッと確認してな。
ピート/ピーテッド…泥炭(ピート)で麦芽を燻して付ける、焚き火や正露丸みたいなスモーキーな香りのことや。
ppm(フェノール値)…スモーキーさの強さを表す数字。数字が大きいほど煙の主張が強い目安になる。
ノンチルフィルタード…冷やして白濁のもとになる成分を濾す工程をあえてせん造り。その成分が残りやすいから、冷やしたり加水したりすると白う濁ることがある。傷んだんやないで。味に厚みが出るともよう言われとる。
シェリー樽…スペインの酒精強化ワイン「シェリー」を熟成させた樽や、ウイスキー用にシェリーで風味づけ(シーズニング)した樽。中身のシェリーの種類で味の向きが変わるんや。
オロロソ(シェリー樽)…酸化熟成でつくる辛口のシェリー。この樽で寝かせたウイスキーに、ドライフルーツ・ナッツ・黒糖みたいなコクのある風味が移るで。
バーボン…アメリカ生まれのウイスキー。コーン51%以上+焦がした新樽(バレル)熟成が主な条件やで。
スコッチ…スコットランド産・3年以上熟成のウイスキー。世界5大ウイスキーの主役で樽芸術の本場や。

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