「ノンチルフィルタードって何やろ?」って気になって調べてくれたんやな、おおきに!ひとことで言うたら、瓶詰め前にウイスキーをキンキンに冷やして濁りのもとをこし取る「冷却ろ過(チルフィルター)」を、あえてやらへん製法のことや。
香りもコクも削らんと丸ごと届けたる、っちゅう職人の心意気の証やな。
※ただし「ろ過を一切せえへん」わけやないで。英国政府が出しとるスコッチの技術ファイルには、どのスコッチも瓶詰め前に、熟成中に混じった木くずを取るろ過をしとると書いてある。ノンチルは、そのうえで「冷やしてこし取る工程」だけをやらへんっちゅう意味やねん。
そもそもなんで冷却ろ過するんかいうたら、ウイスキーには長鎖のエステルっちゅう成分が入っとってな、冷やしたり加水したりすると溶けきれんようになって白う濁る(チルヘイズ)ねん。
昔は「濁った酒は不良品」言うてクレームになったから、メーカーは見た目をきれいにするためにこし取っとったんやで。
せやけど、その濁りのもとこそがコク・オイリーさ・余韻の正体やいう研究も積み重なってきて、今は「濁ってもええ、味で勝負や」いう造り手が増えとんねん。アラン、スプリングバンク、ブルックラディあたりがその旗印を掲げる代表格やねん。
📑 この記事でわかること
- 🔬 冷却ろ過の科学と白濁の正体
- 📊 ノンチルに46%が多い理由
- 🎯 チル vs ノンチルの早見比較表
- 🥃 ノンチル代表銘柄を度数つきリストで紹介
- 💡 ノンチル銘柄を楽しむためのマニア豆知識
ウイスキーの他の用語も気になったら、用語辞典もチェックしてな。一緒にウイスキー沼の入口、覗いてこか!
📖 ひとこと定義
瓶詰め前にウイスキーをキンキンに冷やして、濁りのもとをこし取る「冷却ろ過(チルフィルター)」を、あえてやらへん製法のことやな。
とんこつラーメンのスープが冷えると白う脂が固まるんと同じで、ウイスキーの香りやコクの成分も冷やすと白う濁るんや。
昔は「濁った酒は不良品や」言うて返品されるんが嫌で、メーカーはこぞって冷やしてこし取っとった。
せやけどその濁りのもとは、香りや口当たりにも関わっとる成分や。そこまで削ってええんか?——と考える造り手が増えて、今は「濁ってもええ、味で勝負や」いうボトルが増えとんねん。
グラスに氷入れて白うなっても慌てんでええ。英国政府の技術ファイルにも「0℃以下で置いたり、水や氷を入れたりすると濁ることがある」と書いてある。傷んだんとちゃうで。
💬 マッサンのひとこと:香りもコクも削らんと丸ごと届けたるで、いう職人の心意気やん。冷えて白う濁っても、それは傷んだんとちゃう。慌てんと、そのまま乾杯したらええねん
🔬 白く濁る正体は「長鎖のエステル」やで
英国政府が出しとるスコッチの技術ファイルは、白濁のもとを「長鎖のエステル」とだけ書いとる。低い温度にさらされると、こいつらが溶けきれんようになって、濁りや沈殿になって出てくるんや。これをチルヘイズ※チルヘイズ=冷やすと白く濁る現象のこと。chill(冷やす)+ haze(もや)から来とる言葉や。業界の文書では「ヘイズ・フロック(haze floc)」とも呼ばれとる。っちゅう。
⚠️ よう「ワックス質」「タンニン」「タンパク質」も犯人やと書かれとるけど、そこまでは公的な文書に書いてへん。とくにタンパク質は蒸留したら残らんから、ウイスキーの白濁の説明としてはアカンで。
おもろいんは、この成分がマウスフィール(口当たりのトロみ)にも関わっとると考えられとること。せやから「こし取ったら口当たりが薄なる」と言われるんやな。
ただしどれくらい変わるかは、いまも意見が割れとる。ここは「そういう説がある」くらいで受け取っといてな。
もう一段かみ砕くで。長鎖のエステルは、水の割合が増えるほど、温度が下がるほど溶けにくうなる。樽の中で高い度数のまま寝とる間は溶けとるけど、瓶詰めのときに水を足して度数を下げると、溶けきれんぶんが小さい粒(ミセル)になって集まる。それが目に見える大きさになったもんが、あの白いモヤやねん。
冷える → 溶けにくうなる → 粒が集まる → 白う見える。この4段や。ノンチル派の造り手は、この仕組みを分かったうえで「ほんなら残しとこ」と決めとるわけやな。
📊 なんでノンチルは46%が多いん?
ノンチルフィルタードを名乗る銘柄、よ〜く見たら度数46%以上のもんがめっちゃ多いんやで。これには理由があってな。度数が下がって水の割合が増えるほど、長鎖のエステルは溶けた状態を保ちにくうなる※溶けきれんぶんが集まって粒(ミセル)になる。これが白濁の正体や。。せやから高い度数で瓶詰めするほど、冷やしても濁りにくいっちゅうことになる。
ただし46%は法律で決まった数字でも、科学の壁でもないで。「このへんの度数なら見た目が安定しやすい」っちゅう、造り手の実務上の目安や。実際ブルックラディは公式で「40%で瓶詰めすると油分が濁りのもとになる」と説明しとるし、アランは公式に「うちは冷却ろ過で風味を抜くことはせえへん。だいたい46%で出しとる」と書いとる。
つまり「46%+ノンチル」は、造り手が選んだ組み合わせやねん。低めの度数でノンチルにすると、冷蔵庫で冷やしたり氷を入れた瞬間に白う濁って「不良品ちゃうか!」と言われるリスクが上がる。せやから低い度数の銘柄は、冷却ろ過をかける選択をすることが多いんや。
アラン10年は46%、スプリングバンク10年も46%、ブナハーブン12年は46.3%。この3本はどれも公式が「冷却ろ過せえへん」と言うとる。「46%・ノンチル・ノンカラー」の3点セットが「中身で勝負する」の旗印みたいになっとるんは、こういう理由やねん。
🎯 チル vs ノンチル 早見比較表
| 比較項目 | チルフィルター | ノンチル |
|---|---|---|
| 冷却ろ過 | する(冷やしてこし取る) | せえへん |
| 木くずのろ過 | する | する(これはどのスコッチもやる) |
| 見た目 | 冷やしても透明をキープ | 冷やすと白く濁ることあり |
| 味への影響 | どこまで変わるかは意見が割れとる | ノンチルやから必ず濃い、とは限らん |
| よく使う度数 | 40〜43%中心 | 46%以上が多い |
| ラベル表記 | 書かれへんことが多い | 「Non Chill-Filtered」と書かれることがある |
※ 数値や処理条件は蒸溜所・銘柄によって幅があるで。
表は一般的な傾向としての目安やで。
💡 誤解しがちポイント
まず「ノンチル=無ろ過」ちゃうで。
木くずを取るろ過はどのスコッチもやっとる。やらへんのは「冷やしてこし取る」工程だけや。
次に「白濁=品質劣化」でもない。
氷や冷水を入れて白う曇るんは、ノンチルのウイスキーでは自然に起こることや。温度が上がったら薄なったり、透明に戻ったりする。
そんで「ノンチル=必ず46%以上」でもないんや。
少数派やけど、低めの度数でノンチルを貫く銘柄もある。46%は便利な目安やけど、造り手によって考え方はちゃう。
最後にもうひとつ。「ノンチル=必ずうまい」でもないで。
ノンチルはあくまで瓶詰めのやり方の話や。樽・原酒・熟成年数——味を決める要素はほかにも山ほどある。ラベルの4文字だけで一本の優劣は決められへんねん。
🤔 ノンチルフィルタードにデメリットはあるん?
「ええことばっかり書いてあるけど、悪いとこは無いん?」——ここ、気になるとこやんな。並べてみると、こうなるで。
① 冷やすと白う濁る
これがいちばん分かりやすい弱点や。氷を入れたり加水したりすると白うなったり、細かい沈殿が見えたりする(チルヘイズ)。品質の問題やないんやけど、知らんかったら「腐ったんか?」とビックリしてまう。見た目をいつも同じに保ちたいメーカーにとっては、無視できん話やねん。人に出すときは、ひとこと言うたげたら親切やで。
② 度数が高めのものが多い
46%を下回ると濁りが出やすうなるから、ノンチルのボトルは46%以上で瓶詰めされとることが多い。そのぶん飲みごたえは増すけど、アルコールの強さが苦手な人にはしんどいこともある。水を足して調整したらええんやけど、その水でまた白う濁る——というオチも付いてくるわけやな。
③ 味そのもののマイナスは、ほぼ無い
ノンチルの「デメリット」と言われとるもんは、ほとんどが見た目と度数の話や。
ついでに言うとくと、英国政府の技術ファイルには「ろ過は濁りを防ぐ目的だけに使うこと。色・風味・香りを取り除くために使うのは、スコッチの定義で禁じられとる」と書いてある。
つまり「冷却ろ過したら香味が削れる」は、ルールのうえではそうなったらアカンことになっとるんや。ほんまにどこまで変わるんかは、いまも意見が割れとる——くらいが正直なとこやな。
🏛 ノンチルをはっきり掲げる造り手たち
「誰が最初に流行らせたか」は、正直はっきり決められへん。それよりいまの造り手が、自分の口で何を言うとるかを見たほうがおもろいで。
アラン(1995年創業)は公式サイトで、「カラメルは足さんし、冷却ろ過で風味を抜くこともせえへん。うちはだいたい46%で出しとる」とはっきり書いとる。「46%+ノンチル」がなんでセットなんか、いちばん分かりやすい造り手やな。
スプリングバンクも公式で「うちのウイスキーは冷却ろ過せえへんし、着色料も一切足さん」と明言しとる。麦芽づくりから瓶詰めまで蒸溜所の中でやりきる蔵やけど、その姿勢が瓶詰めにも出とるわけや。
ブルックラディは、公式のよくある質問で冷却ろ過をこう説明しとる。「見た目のための工程で、ウイスキーの自然な油分を抜いてまう。うちはグラスが濁ってでも、風味と粘り(マウスフィール)を残すほうを選ぶ」。ここまで言い切る蔵は珍しいで。
ブナハーブンも、12年の公式ページに「ノンチルフィルタード、ナチュラルカラー」と書いてある。度数は46.3%や。
⚠️ 逆に、度数が高いカスクストレングスやからいうて、自動的にノンチルとは限らんで。「Cask Strength」と「Non Chill-Filtered」は別の話や。公式に書いてへん銘柄も普通にある。
こうして並べてみると、ノンチルは「昔ながらやから正義」っちゅう話やのうて、瓶詰めの前にどこまで手を加えるか、っちゅう造り手の考え方が見えるとこやと分かるやろ。その考え方が選べるようになったんは、ありがたい話やで。
🥃 ノンチル代表銘柄リスト(度数つき)
- アラン10年(46%) ─ アイランズの新興蒸溜所アランの定番。公式によると、バーボン樽で10年寝かせたあと、ファーストフィルのオロロソシェリー樽で約9か月フィニッシュ。公式のテイスティングは、バーボン樽から果樹園の果実・バニラ・柑橘、シェリーからドライフルーツと甘み、やさしいスパイス。「ナチュラルカラー・ノンチルフィルタードで瓶詰め」と公式が明記しとるで。
- スプリングバンク10年(46%) ─ キャンベルタウンの伝統蒸溜所スプリングバンクの顔。公式が「うちのウイスキーは冷却ろ過せえへんし、着色料も足さん」と蔵ぐるみで明言しとる筋金入りで、ほんのりピートと潮の風味が魅力や。
- ブナハーブン12年(46.3%) ─ アイラ島の中ではピートが穏やかな路線。公式ページに「ノンチルフィルタード、ナチュラルカラー」と書いてあって、甘い果実・ナッツ・バニラに、ほんのり潮の気配が乗るんが持ち味やで。
- アベラワー・アブーナ(度数はバッチごとにちゃう) ─ カスクストレングスの濃厚な一本。公式が「バッチごとに造るから、手元に届くボトルは番号も度数(ABV)もデザインもちゃうことがある」とわざわざ注記しとるくらいや。公式の言葉は「シェリーの効いた(sherried)ウイスキー」まで。※冷却ろ過については公式ページに記載がないから、ラベルで確かめてな。
- グレンファークラス105(60%) ─ シェリー樽熟成のカスクストレングス代表格。公式のボトル写真のラベルにも「60% VOL」とある。105は昔の英国式プルーフの数字で、それが60%にあたるんやな。※こっちも冷却ろ過については公式に記載がないで。
- ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ(50%) ─ アイラ島のもう一つの旗印。現行品は「10 Aged Years」になっとって、公式は「100%スコットランド産大麦、ゆっくり蒸溜、ノンチルフィルタード、着色料なし」と書いとる。「スコッチはたいてい40〜46%やけど、うちは50%で詰める」とも公言しとる蔵やで。
どれも46%以上の度数で、ノンチルの世界の入口としては分かりやすい顔ぶれやで。
価格は時期や仕入れで変動するから、最新情報はそれぞれのEC・公式サイトで要チェックやな。
🧐 豆知識:冷却ろ過したら、ホンマに味は変わるん?
「チルフィルターしたら絶対マズなる」かいうたら、そこまで単純やない。
英国政府の技術ファイルは、ろ過について「濁りを防ぐ目的だけに使うこと。色・風味・香りを取るために使うのはアカン」と書いとる。ルールのうえでは「味を削る工程」やないねん。
いっぽうで「口当たりが薄なる」と感じる人は多いし、ブルックラディみたいに「油分が抜ける」とはっきり言う造り手もおる。
冷却ろ過は白濁を防ぐための工程。そこが香りや口当たりにどこまで効くかは、いまも単純には決められへん——これくらいで覚えとくのが、いちばん正直やと思うで。
✨ 知っとくと通ぶれる小ネタ — 飲み方・ラベル・カスクストレングス
①まずはストレートで個性を確認:ノンチルは口当たりの厚みが魅力やと言われとる。最初はテイスティンググラスでストレート、その後に数滴の加水で香りの開きを確かめるのが一般的なおすすめ手順や。加水しても旨味は残るから、自分の好みのバランスを探してみてな。
②ラベルに「Non Chill-Filtered」「Un-Chillfiltered」表記を探せ。スコッチでは法的義務やないけど、こだわり蒸留所は誇らしげに書いとる。逆に書いてないけど実はノンチルっちゅう銘柄もあるから蒸留所サイトの確認は楽しい宝探しやで。
③「カスクストレングス=ノンチル」やと決めつけへんこと。度数が高いと濁りにくいんは確かやけど、「Cask Strength」と「Non Chill-Filtered」は別の表記や。実際、アベラワー・アブーナもグレンファークラス105も、公式ページには冷却ろ過のことは書いてへん。ラベルか公式で確かめるんが確実やで。
🥃 まとめ
ノンチルフィルタードのポイント、ぎゅっと振り返るで。
①冷却ろ過だけをあえてせえへん製法や。木くずを取るろ過は、どのスコッチもやっとるで。
②白濁のもとは長鎖のエステル。度数が下がって温度も下がると、溶けきれんぶんが粒になって出てくるんやな。
③46%は法律でも科学の壁でもない、造り手の実務上の目安や。
④アラン・スプリングバンク・ブルックラディ・ブナハーブンは、公式で自分の口ではっきり掲げとる。
⑤白濁は劣化やない。英国政府の文書にも「低い温度や、水・氷を入れると濁ることがある」と書いてあるで。
次の一本を選ぶときは、ラベルの「Non Chill-Filtered」表記を宝探しみたいに探してみてな。
冷やして白う濁っても、慌てんでええ。それは傷んだんとちゃうで。
そういう仕組みやと分かって飲むと、また一段おもろなる。乾杯したなるなぁ!
📖 この記事に出てきた用語(タップで辞典へ)
分からん言葉があったら、ここから用語辞典でサクッと確認してな。
ピート/ピーテッド…泥炭(ピート)で麦芽を燻して付ける、焚き火や正露丸みたいなスモーキーな香りのことやで。
カスクストレングス…樽から出したまま、加水でうすめてへん高い度数のボトルのこと。香りも味も力強い。
シェリー樽…スペインの酒精強化ワイン「シェリー」を熟成させた樽や、ウイスキー用にシェリーで風味づけ(シーズニング)した樽。オロロソやPXなら濃いドライフルーツ、フィノなら辛口寄り——中身のシェリーの種類で味の向きが変わる。
オロロソ(シェリー樽)…酸化熟成でつくる辛口のシェリー。この樽で寝かせたウイスキーに、ドライフルーツ・ナッツ・黒糖みたいなコクのある風味が移るで。
オーク…ウイスキー熟成の主要樽材。アメリカン(甘いお菓子系)/ヨーロピアン・スパニッシュ(濃厚ドライフルーツ系)/ミズナラ(和のお香系)/フレンチ(上品スパイス系)などの樽材で香味の方向性が決まる。
ファーストフィル…バーボンやシェリーを抜いたあとの樽を、そのウイスキーの熟成に初めて使う段階のことや。使い回したリフィル樽より、前の酒と木の個性が濃く出るんや。
バーボン…アメリカ生まれのウイスキー。コーン51%以上+焦がした新樽(バレル)熟成が主な条件やで。


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