マッサンやで。
ウイスキーの話をしとると、モルトはよう出てくるのに、こっちは影が薄い。「グレーン」や。
「なんか安いやつやろ?」「かさ増しちゃうん?」——正直、そう思われとる節がある。
けどな、あんたが好きなあのブレンデッドの飲みやすさには、グレーンの仕事がぎょうさん詰まっとる。
モルトが前で歌っとる間、グレーンは後ろで音を整えとる。目立たへんけど、抜けたら曲が成立せえへん。
この記事では、そんなグレーンの原料と造り方、ブレンデッドでの役どころを見ていくで🥂
🥃 一言結論
グレーン(grain)=英語で「穀物」のことや。
ただし「グレーンウイスキー」は、トウモロコシや小麦っちゅう原料の名前やない。モルトウイスキーとは原料と蒸溜のしかたの条件がちゃう、ウイスキーのカテゴリーやねん。
スコッチやと、大麦麦芽に小麦やトウモロコシを足して、連続式蒸溜機で造るのが一般的。軽やかで穏やかな酒質になりやすうて、ブレンデッドの土台として働いとる。
せやから「グレーン=かならず大麦麦芽以外」「グレーン=かならず連続式蒸溜」と覚えたら、例外で迷子になる。原料だけやのうて、造り方まで含めて決まる言葉や、と思といてな。
「薄めるための脇役」やのうて、飲みやすさを設計するための役者——それがグレーンやと、ワイは思うとるで🥂
🌽 グレーンって、結局なんの穀物?
グレーンウイスキーの原料は、造り手や国によってけっこう変わる。ざっくりこんな感じや。
※この記事は、分類が法令ではっきり決まっとるスコッチを軸に説明して、日本の一般的な造りも足しとるで。国が変われば「グレーンウイスキー」の扱いも変わるから、どこにでもそのまま当てはまる話やないで。
| 原料 | グレーンウイスキーでの役どころ |
|---|---|
| 小麦 | 今のスコッチのグレーンで広う使われとる。穏やかな酒質になりやすい |
| トウモロコシ | スコッチや日本のグレーンでおなじみ。穀物由来の甘みが出やすい |
| 大麦麦芽(モルト) | デンプンを糖に変える酵素を出す係。スコッチのグレーンにも要るんや |
| その他の穀物(ライ麦など) | 国や商品の決まりによる。※アメリカでライ麦を51%以上使うたもんは「ライウイスキー」っちゅう別のカテゴリーやで |
※穀物による傾向はあるけど、蒸溜のしかたや樽、熟成年数でも味は大きゅう変わるで。
ここで大事な話をひとつ。グレーンウイスキーにも、実はモルトが入っとるんや。
スコッチの一般的なグレーン造りやと、小麦やトウモロコシに糖化用の大麦麦芽を1割ほど足す。この麦芽が持っとる酵素で、穀物のデンプンを酵母の食べられる糖に変えていくわけや。
グレーンとモルトは別カテゴリーやけど、造る段階では最初から手ぇ組んどるっちゅうことやな。
※モルト側の仕組みはモルトの用語辞典で詳しく書いとるで。
🗣️ マッサンの一言(独断・偏見・妄想込み)
ワイ、これ知ったとき「なるほどなぁ」って声出てもうた。
グレーンウイスキーって、モルトと対立しとるように見えて、そもそもモルトに助けてもろて生まれとるわけや。
ライバルやと思とった二人が、実は最初から手ぇ組んどった。ウイスキーの世界、こういう話がぎょうさんあるからおもろいねん🥂
🏭 連続式蒸溜機|グレーンで一般的に使われる蒸溜機
グレーンの酒質には、使う穀物だけやのうて、連続式蒸溜機の造りや、どこまで精留するかが大きゅう関わっとる。
シングルモルトスコッチは単式蒸溜機(ポットスチル)で造る決まりや。ヤカンみたいな形で、1回分ずつ蒸溜しては空にして、また入れて……の繰り返し。手間はかかるけど、原料の癖がそのまま残る。
いっぽうグレーンは連続式蒸溜機を使うのが一般的や。背の高い塔みたいなやつで、上から原料の液を落として下から蒸気を当てる。原料を続けて送り込みながら蒸溜できるんや。
塔の中で蒸溜と精留を何度も重ねるから、ポットスチルより高い度数までアルコールを取り出しやすい。香味成分の一部が抑えられて、軽やかで穏やかな酒質になりやすいんやな。
ただし、連続式やったら全部おんなじ味になるわけやない。ニッカのカフェスチルみたいに、あえて旧式の機械を使うて、原料由来の甘みやコクを残す造り手もおるで。
| ポットスチル(単式) | 連続式蒸溜機 | |
|---|---|---|
| 造り方 | 1回分ずつ区切って蒸溜する | 原料を続けて送り込みながら蒸溜する |
| 蒸溜の度数 | 比較的ひかえめ | 高い度数まで精留しやすい |
| 酒質の傾向 | 香味成分を多く残しやすい | 軽やかでクリーンに仕上げやすい |
| 生産の効率 | 手間と時間がかかる | 大量に、安定して造れる |
| よう使われる場面 | シングルモルトスコッチ | 一般的なグレーンウイスキー |
| 例外 | グレーンを造るのに使われることもある | 大麦麦芽だけを蒸溜することもある |
「個性が消える」って聞くと損した気になるけど、逆やねん。癖を消せる技術があるから、狙った味を設計できる。ブレンダーさんにとっては、これ以上ないくらい頼りになる素材やで。
🗣️ マッサンの一言(独断・偏見・妄想込み)
例えるならな、モルトが個性派の役者で、グレーンは舞台そのものや。
舞台が傾いとったら、どんな名優が乗っても台無しやろ?平らでしっかりした板があるから、役者が思い切り暴れられる。
グレーンの「主張せえへん」は、手抜きやのうて役割やねん。ワイはそこに職人の腹くくり方を感じるわ🥂
🥃 ブレンデッドの中で、グレーンは何しとるん?
角瓶もバランタインもジョニーウォーカーも、みんなブレンデッドウイスキー。中身はモルトウイスキー+グレーンウイスキーや。
比率は銘柄によるけど、グレーンのほうが多いことも珍しない。
| グレーンの仕事 | どう効くか |
|---|---|
| 角を取る | モルトのピリッとした刺激をやわらげて、毎日飲める顔にする |
| 丸みを足す | 原酒によっては、穀物由来のやわらかな甘みや丸みを足す |
| 伸びをよくする | ハイボールにしたときスッと伸びる。炭酸に負けん軽さの正体 |
| 穏やかな土台を作る | モルトと組み合わせやすうて、ブレンダーが全体のバランスを設計しやすい |
ハイボールが好きな人にはピンとくると思うけど、「炭酸で割ったときに水っぽくならず、スッと伸びる」感じ——あれ、グレーンの仕事が大きいねん。
ワイの場合、個性の強いシングルモルトを毎晩ハイボールにすると、ちょっと情報量が多いなと思う日がある。
その点、グレーンの入ったブレンデッドの軽やかさは、冷蔵庫の炭酸水の隣から「今日はワイでいこか」と手ぇ挙げてくる感じがあるねん。
✨ 脇役やない|シングルグレーンっちゅう楽しみ方
ここ最近おもろいんが、グレーンを主役に据えたボトルや。
スコッチでは、1つの蒸溜所で造られたグレーンウイスキーをシングルグレーンと呼ぶ。
ここでの「シングル」も、樽が1つっちゅう意味やないで。蒸溜所が1つ、っちゅう話や。
飲んでみたら分かるけど、これがちゃんと美味い。
樽や熟成年数によっては、バニラ、キャラメル、焼き菓子を思わせる甘い香りが育つ。軽いだけやと思て飲むと、長熟グレーンのやわらかい厚みに驚かされることがあるで。
※シングルグレーンの用語辞典に、選び方や代表銘柄をまとめとるで。
🗣️ マッサンの一言(独断・偏見・妄想込み)
ワイ、シングルグレーンを初めて飲んだとき、グラス持った瞬間に「あれ、お菓子屋さんおる?」ってなったのを覚えとる。
ずっと裏方やと思とった相手が、いきなり真ん中に立って歌い出したみたいな驚きやってん。
モルトばっかり飲んどる人こそ、いっぺん寄り道してみてほしい。グレーン沼っちゅう静かな沼が、そこにあるで🥂
🤔 よくある質問
Q. グレーンウイスキーって、モルトより安いから入れとるん?
A. コストが安いんは事実やけど、それだけの話やないで。角を取って毎日飲める顔にするっちゅう、味づくりの役割がちゃんとある。もしコストだけの理由なら、グレーン単体で高い値が付くシングルグレーンなんて成り立たへんからな。
Q. グレーンとバーボンって、何がちゃうん?
A. バーボンもトウモロコシが主役やから親戚みたいなもんや。ただバーボンは「トウモロコシ51%以上」「新品の焦がしたオーク樽を使う」みたいな決まりが、アメリカの法律で細こう定まっとる。
スコッチのグレーンに同じ縛りは無いけど、決まりが無いわけやないで。スコットランドで蒸溜して3年以上熟成、蒸溜の度数は94.8%未満……と、別の厳しい条件がちゃんとある。親戚っぽう見えても、戸籍は別や。
Q. ラベルに「グレーン」って書いてあったら、連続式蒸溜ってこと?
A. たいていはそうやけど、「グレーン」が蒸溜機の名前を表しとるわけやないで。スコッチでは、原料と蒸溜のしかたの条件を組み合わせてカテゴリーが決まる。グレーンをポットスチルで造る例外もあるから、「グレーン=ぜったい連続式」とまでは言い切れへんのや。
Q. ラベルに「グレーン」って書いてあったら格下なん?
A. そんなことないで。上下やのうてカテゴリーがちゃうだけや。値段も年数もピンキリで、30年もんのシングルグレーンなんか、なかなかの価格が付くこともある。
Q. グレーンが多いブレンデッドは、味が薄いってこと?
A. 比率だけでは決まらへんねん。どんなモルトを、どの樽の、どんなグレーンと組ませたか——そっちのほうがよっぽど効く。数字より、実際に飲んだ印象を信じたってな。
🎁 まとめ:土台がしっかりしとるから、上で踊れる
グレーンは英語で「穀物」。ほんでグレーンウイスキーは、ただ「大麦麦芽以外の穀物」を指す言葉やのうて、モルトウイスキーとは原料と蒸溜のしかたの条件がちゃうカテゴリーや。
スコッチやと、大麦麦芽に小麦やトウモロコシを足して、連続式蒸溜機で軽やかに仕上げるのが一般的。ブレンデッドではモルトの個性を受け止めて、全体を飲みやすうまとめる大事な土台になっとる。
ただし、グレーンが全部おとなしいわけでもない。旧式の機械で穀物の甘みを残した原酒もあるし、長い熟成で堂々と主役を張るシングルグレーンもある。
次にブレンデッドをハイボールにしたとき、あのスッと伸びる感じを意識してみてほしい。
そこにグレーンがおる。ずっと居ったのに、気づいてへんかっただけやねん🥂
🗣️ マッサンの一言(独断・偏見・妄想込み)
今日いちばん言いたいのはこれや。グレーンは「かさ増し」やない。
癖を消す技術があるから、ブレンダーは狙った味を組み立てられる。誰かが平らな床を作ってくれとるから、上で踊れるんや。
そう思いながら飲む角ハイ、ちょっとだけ味がちゃうで。ほな、乾杯🥂


コメント