「クラレット樽で熟成しました」
商品説明で急にこんなん出てきたら、クラレットて何やねん。樽の木の名前か?ってなるやろ。
ワイも最初そう思た。
ちゃうねん。クラレットは木の名前でも、ブドウの品種でもない。
ざっくり言うと、ボルドーの赤ワインを入れとった樽のことや。
シェリー樽ならレーズンやナッツ、バーボン樽ならバニラやココナッツ。ほなクラレット樽は?——ここが面白いとこや。
📖 ひとこと定義
🍷 クラレット樽とは
クラレットと呼ばれるボルドー系の赤ワインに使われたオーク樽を、ウイスキーの熟成や後熟(フィニッシュ)に再利用したものや。
日本では、グレンドロナック「ボインズミルハウス・エディション14年」に使われた樽を、ブラウンフォーマンジャパンがそのまま「クラレット樽(ボルドー産赤ワイン樽)」と説明しとる。
初心者はまず、クラレット樽=ボルドー赤ワイン系の樽と覚えたらOKや。
🍷 そもそも「クラレット」って何やねん
クラレット(Claret)は、イギリスで昔から使われてきたボルドー赤ワインの呼び名や。
ケンブリッジ英語辞典でも、「フランスのボルドー周辺の地域で造られる赤ワイン」と定義されとる。ついでに「濃い赤と紫のあいだの色」という意味もあるで。
つまり、フランスで造ったワインに、イギリスで定着した名前やねん。
🗣️ マッサンの一言
クラレットて聞いて、ワイは最初「なんか高級なブドウ品種やろ」と思とった。ちゃうかった。ボルドー赤ワインの、イギリス風のあだ名みたいなもんや。そう分かった途端、急に親しみ湧いてきたわ。
🍇 ボルドーの赤ワインって、どんな味なん?
クラレット樽を知るには、中に入っとったワインを知るんが早い。
ボルドーの赤は、メルロやカベルネ・ソーヴィニヨンといった品種が主役や。ざっくり言うと、メルロはチェリーやプラムみたいな丸い果実味、カベルネ・ソーヴィニヨンはカシスなどの黒い果実と、しっかりした渋み。
せやからクラレット樽を使うたウイスキーでも、黒い果実・赤い果実・スパイス・タンニン(渋み)あたりが出てきやすい、と考えると分かりやすい。
実際、グレンドロナックのボインズミルハウス14年では、クラレット樽を加えたことで「カシスやプラムの華やかな果実味」と「洗練されたタンニンの骨格」が乗る、と説明されとる。
シェリー樽の「ドライフルーツ」とはちょっとちがう、もっと瑞々しい黒果実と、赤ワインらしい渋み——そんなイメージで入るとええで。
🪵 「赤ワインの味がそのまま染み出す」わけやない
ここは大事なとこや。
クラレット樽を使うたからいうて、「はい、カシス出ます。プラム出ます。タンニン追加です」みたいな自販機方式ではない。
ワインが入っとったことで樽材そのものが影響を受けて、その樽とウイスキーが、さらに時間をかけて反応していく。
しかも味を決めるんは、前に入っとった酒だけやない。
全部が絡んで、はじめて味になる。
樽は味付けの粉やない。元のウイスキーとの相性まで含めて完成するんや。
💡 クラレット樽でよくある「4つの誤解」
① クラレットはブドウの品種?
ちゃう。メルロやカベルネ・ソーヴィニヨンみたいなブドウの名前やない。ボルドーの赤ワインと結びついた、呼び名のほうや。
② 赤ワイン樽=ぜんぶクラレット樽?
これもちゃう。赤ワイン樽いうたら、ボルドー、ブルゴーニュ、リオハ、トスカーナ、ナパ……世界中にある。
クラレット樽は、そのなかでもボルドー系を指す、もっと狭い言葉や。「犬」と「柴犬」くらいのちがいやな。赤ワイン樽が犬なら、クラレット樽は柴犬や。
③ クラレット樽=フレンチオーク樽?
これも同じ意味やない。
「クラレット」は前に何が入っとったかの話。「フレンチオーク」は何の木で樽を作ったかの話や。
ボルドーの赤にフレンチオークがよう使われるんは事実やけど、「クラレット樽」としか書いてへん商品を、勝手にフレンチオークと決めつけたらアカン。樹種まで公表しとるときだけ書く。これが安全や。
④ Claret と Clairet は同じ?
ここがいちばんややこしい。ほんで、時系列を知ったら一発で片づくで。
| 呼び名 | 何もんか |
|---|---|
| Bordeaux Clairet (ボルドー・クレレ) | 昔からあるボルドーのAOC。赤ワインより軽く、ロゼより濃い「濃いロゼ」のスタイルや |
| Bordeaux Claret (ボルドー・クラレット) | 2026年2月にAOC Bordeauxが正式承認したばかりの新しいスタイル。12世紀にイギリスへ運ばれとった、明るく軽い赤に立ち返る狙いや。最初のボトルは2025年ヴィンテージから市場に出る |
| claret(英語の一般名詞) | イギリスで昔から使われてきた、ボルドー赤ワインの呼び名。ウイスキーの「Claret Cask」はこっちの意味や |
つまり、2026年より前に瓶詰めされたウイスキーの「クラレット樽」は、新しくできたBordeaux Claretとは関係あらへん。承認されたばかりのスタイルの樽が、それ以前のウイスキーに使われとるわけがないからな。
迷ったら、その銘柄の公式説明を見る。それがいちばん確実や。
🗣️ マッサンの一言
この④、調べとって一番おもろかったわ。ボルドーはいま、気候が暖かなって赤ワインが濃くなりすぎた。そこで800年前の「軽い赤」に戻るいうて、イギリス人が呼んどった古い名前を正式なスタイルとして復活させた。ウイスキーの樽の話を掘っとったら、ワインの現在進行形にぶつかってもうた。
🎯 ほかのワイン系の樽との違い
| 樽 | 前に入っとった酒 | ウイスキーで出やすい方向 |
|---|---|---|
| クラレット樽 | ボルドー系の赤ワイン | カシス、ブラックチェリー、プラム、タンニン、スパイス |
| シェリー樽 | シェリー | レーズン、イチジク、ナッツ、チョコ、スパイス |
| ポート樽 | ポートワイン | ベリー、プラム、ジャムっぽい甘み |
| ソーテルヌ樽 | ボルドー産の甘口白ワイン | 桃、アプリコット、蜂蜜、柑橘 |
| マルサラ樽 | シチリアの酒精強化ワイン | 干しぶどう、カラメル、ナッツ、甘い樽香 |
※これはあくまで「よう出てくる方向」。同じクラレット樽でも、元のワイン・木・熟成期間・原酒がちがえば味は変わるで。
🥃 クラレット樽に出会える銘柄
公式に確認できるもんだけ挙げるで。
① グレンドロナック ボインズミルハウス・エディション14年
2026年、グレンドロナック創業200周年の記念ボトルや。
PXシェリー樽とオロロソシェリー樽を軸に、少量のクラレット樽を加えた構成。ブラウンフォーマンジャパンは、クラレット樽を「ボルドー産赤ワイン樽」と明記しとる。
面白いんは「少量」ってとこや。全部クラレットにしてもうたら、グレンドロナックが別人になってまう。シェリーの主役は残したまま、横から一枚だけ差し込んでくる。こういう樽使い、ワイは好きやで。
詳しくはボインズミルハウス14年の予習レビューにまとめてあるわ。
② ロッホローモンド The Open Course Collection ロイヤルポートラッシュ 19年
2019年の全英オープン(第148回・ロイヤルポートラッシュ開催)に合わせて出た限定品や。アメリカンオークで熟成したあと、クラレット樽でフィニッシュしとる。50.3%。
ほんで、この樽を選んだ理由がしゃれとる。ロッホローモンドの説明はこうや。
アメリカンオークで熟成したあと、あの有名な全英オープンのトロフィーへのオマージュとしてクラレット樽でフィニッシュした。その結果、見事なローズ色に仕上がっとる。
全英オープンの優勝トロフィーは、通称「クラレットジャグ」。そのトロフィーの名にちなんで、クラレット樽で仕上げたわけや。粋やなぁ。
③ グレンアラヒー 11年 プルミエ・クリュ・クラッセ ワインカスクフィニッシュ
こっちは商品名に「Claret」とは書いてへん。
アメリカンオークのex-バーボンバレルで熟成したあと、フレンチオークのバリックで2年以上追加熟成した一本や。48%。その樽は、ボルドーのプルミエ・クリュ・クラッセ(第1級格付け)5シャトーのうちの1つから調達しとる。
グレンアラヒーの公式ノートは、香りに「バタースコッチ、カシス、ヘザーハニー」、味に「ハニカム、黒い果実、ダークチョコ、そのあとコーヒー、トリュフ、シナモン」。しっかり黒果実とコーヒー方向やな。
🔎 ラベルの名前がちがうだけのことがある
同じボルドー赤ワイン樽でも、メーカーによって書き方はバラバラや。Claret Caskと書くとこもあれば、Bordeaux Wine CaskやPremier Cru Classé Wine Caskのように、もっと具体的に書くとこもある。名前がちごても、同じ世界の話やということはようあるで。
⚖️ スコッチに赤ワイン樽を使うてええの?
ええで。ちゃんとルールの中に入っとる。
スコッチウイスキー規則(2009年)では、熟成に使う樽はオーク製で、容量700リットル以下と決まっとる。
そのうえで、新しいオーク樽か、ワイン・ビール/エール・スピリッツを熟成しとったオーク樽なら、熟成にもフィニッシュにも使える。
ただし何でもアリやない。こういう縛りがある。
- ⚖️核のある果実(ストーンフルーツ)から造った酒を入れとった樽はアカン
- ⚖️発酵のあとに果実・香味・甘味を足したビール/エールの樽もアカン
- ⚖️蒸溜のあとに果実・香味・甘味を足したスピリッツの樽もアカン
- ⚖️その熟成が、その酒の伝統的な造り方の一部であること
- ⚖️できあがったもんが、スコッチらしい色・味・香りを保っとること
ボルドーの赤ワインを樽で寝かせるんは、まさに伝統的な造り方や。せやからクラレット樽は誰かが最近思いついた裏技やのうて、スコッチの樽文化にちゃんと入っとるもんやねん。
🧐 へぇ〜! ボトル豆知識(タップで開く)
ゴルフの全英オープンの優勝トロフィー、通称「クラレットジャグ」やねん。ワイン差しの形をしとるから、その名前がついとる。ほんで、大会の公式スピリッツを務めるロッホローモンドが、そのトロフィーへのオマージュとしてクラレット樽で仕上げた一本を出した。ゴルフのトロフィーの名前が、ウイスキーの樽選びを決めた——なかなか無い話やろ。
そしていま、ボルドーは「軽い赤」に戻ろうとしとる。気候が暖かなってブドウが熟しすぎ、アルコール度数も上がり続けた。重い赤が売れんようになって、畑を減らす話まで出とる。そこでAOC Bordeauxが2026年2月に承認したんが、12世紀の呼び名を冠したBordeaux Claret——若いうちに軽う冷やして飲む赤や。樽ひとつ掘ったら、800年の歴史と気候変動まで出てきてもうたわ。
🗣️ マッサンの一言
クラレット樽の面白さは、ウイスキーの外側に話がつながっとることやと思うねん。ボルドーのワイン、イギリスの呼び名、ゴルフのトロフィー、そんで気候変動。ラベルの4文字から、そこまで転がっていく。こういうのがあるから、樽の名前を調べるんはやめられへんのや。
🥃 ウイスキー専門店でも探す
品揃え豊富な専門店なら、レア銘柄や限定品も見つかりやすいで。価格を比べる時の選択肢に入れてみてな。
▶ 武川蒸留酒販売(山梨の洋酒専門店・品数豊富でコスパ◎)
▶ MALKS(モルクス)(ベルーナ運営・希少/限定ボトルに強い)
📰 当サイトのガイド記事:ウイスキーを安く買う方法|5大通販ショップの賢い選び方(武川・MALKS・Amazon・楽天・Yahoo!の徹底比較)
🤔 よくある質問
Q1. クラレット樽は必ず小さい樽なん?
そうとは限らへん。
スコッチのルールで決まっとるんは「オーク製で700リットル以下」までや。ボルドーのワイン熟成には小さめの樽がよう使われるけど、「クラレット樽」と書いてあるだけで容量まで決めつけたらアカン。
サイズが気になるなら、その銘柄の公式情報を見るのがいちばん確実やで。
Q2. クラレット樽=フィニッシュ専用?
これもちゃう。今回挙げた3本のうち、ロッホローモンドとグレンアラヒーは後半のフィニッシュに使うとるけど、グレンドロナックのボインズミルは熟成の樽の1つとして組み込んどる。
使い方は銘柄ごとにちがう。ここも公式の書き方を見るしかないな。
Q3. シェリー樽とどっちが自分に合う?
レーズン・イチジク・ナッツ・チョコみたいな濃くて甘い方向が好きならシェリー樽や。
カシスやブラックチェリーみたいな瑞々しい黒果実と、きゅっと締まる渋みが欲しいならクラレット樽。
ただ、クラレット樽は単独で使われることが少ない。シェリー樽やバーボン樽が土台にあって、そこへ一枚重ねる形が多いで。まずはシェリー樽で軸を作ってから、クラレット樽を足し算として味わう——これがいちばん分かりやすい順番やと思うわ。
🥃 まとめ
クラレット樽をひとことで言えば、ボルドー系の赤ワインに使われた樽を、ウイスキーの熟成やフィニッシュに使うたもんや。
覚えたいポイントはこれだけ。
- ✅クラレットはブドウの名前やない
- ✅赤ワイン樽ぜんぶを指す言葉でもない(ボルドー系に限る)
- ✅フレンチオークと同じ意味でもない
- ✅出やすいんはカシス・ブラックチェリー・プラム・タンニン・スパイス
ただ、樽はそんな単純やない。前に入っとったワイン、木の種類、樽の大きさ、熟成期間、そして元のウイスキー。全部が合わさって味になる。
今度ラベルで「Claret Cask」を見つけたら、「赤ワイン樽か」で終わらんと、どこのワインや? 何のオークや? フィニッシュなんか?——そこまで見てみ。ウイスキーの裏側が、もう一段おもろなるで。
公式情報・参考リンク
📰 出どころ
- Cambridge Dictionary:claret の定義
- スコッチウイスキー協会(SWA):熟成に使える樽のQ&A
- The Scotch Whisky Regulations 2009(英国法令)
- ロッホローモンド公式:2019年 全英オープン限定品のリリース
- グレンアラヒー公式:11年 プルミエ・クリュ・クラッセ ワインカスクフィニッシュ
- PR TIMES:グレンドロナック ボインズミルハウス・エディション14年(ブラウンフォーマンジャパン)
※Bordeaux Claret が2026年2月にAOC Bordeauxで承認された件は、wein.plus の報道(The Guardian の記事を引用)にもとづくで。
内容は本記事執筆時点のもの。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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