【蒸溜】とは?アルコールと香りを“集めて選ぶ”工程|1回目で集めて、2回目で選ぶ

「蒸溜」の解説図:ウォッシュ→初溜→ローワイン→再溜→カット→ニューメイクの流れを黒板チョーク風でマッサンが解説するインフォグラフィック ウイスキー用語辞典

蒸溜(じょうりゅう)って、結局なにしとるん?」——ええとこに目ぇつけたな。
ひと言でいうと、発酵でできたアルコール入りの液体を熱して、アルコールを濃くしながら香味成分を取り出す工程やで。

水よりアルコールのほうが蒸気になりやすい。その性質を使って、蒸気にして、冷やして、また液体に戻す
ほんで面白いんが、ただ濃くするだけやないっちゅうこと。どの香りを次へ連れていくかまで、ここで決まるんや。

ウイスキーづくりの流れでいうと、7つの工程⑤番目や。
製麦粉砕糖化発酵蒸溜 → 熟成 → ブレンド・瓶詰め。
ここまでで出来とるんは、度数7〜9%くらいの「ビールみたいな液体」やねん。
他の用語が気になる人は、ウイスキー用語辞典もチェックしてな。

🥃 一言結論

蒸溜=アルコールと香りを「集めて、選ぶ」工程や。
スコッチのモルトウイスキーは、これを2回くり返すんが主流でな。
1回目(初溜)で集めて、2回目(再溜)で真ん中を選ぶ——この覚え方がいちばん分かりやすいで。

💬 マッサンのひとこと:理科の実験で見た、蓋についた水滴を集めるやつ。
あれを何百年も磨き込んだんがウイスキーづくりやと思たら、ちょっとロマンあるやろ

「蒸溜」の解説図:ウォッシュ→初溜→ローワイン→再溜→カット→ニューメイクの流れを黒板チョーク風でマッサンが解説するインフォグラフィック
ウォッシュから樽へ。蒸溜の流れを1枚に🥃(度数はいずれも目安やで)

💧 なんで濃くできるん?|78℃でアルコールだけ飛ぶ、やないで

よう見かける説明がこれや。
「アルコールは約78℃、水は100℃で沸く。せやから78℃まで温めたらアルコールだけ飛ぶ」

⚠️ ここ、ちょっとちゃうねん

その数字は、エタノールと水をそれぞれ単独で見たときの沸点や。
実際のもろみ(ウォッシュ)は、水もアルコールも香味成分も混ざっとる液体やろ。せやから温めたら水も一緒に蒸気になる。「アルコールだけが上がる」わけやないんや。

成分 単独で見たときの沸点 蒸溜では
エタノール(アルコール) 約78℃ 蒸気のほうへ移りやすい
約100℃ 水も一緒に蒸気になる

ほな、なんで濃くなるんか。
ポイントは、出てくる蒸気のほうが、元の液体よりアルコールを多く含むっちゅうことや。

その蒸気を冷やして液体に戻す。すると、元より度数の高い液体が手に入る。これをくり返すことで、7〜9%やったウォッシュが、だんだん濃くなっていく——これが蒸溜やねん。

ほんで蒸気になって移るんは、アルコールだけやない。発酵で生まれた果実っぽい香りやスパイスっぽい成分も、一緒に連れていかれる。ここがウイスキーの面白いとこでな。「濃くする作業」であると同時に、「どの香りを連れていくか選ぶ作業」でもあるんや。

🔁 なんで2回やるん?|1回目で集めて、2回目で選ぶ

スコッチのモルトウイスキーでは、ポットスチル2回蒸溜するんが主流や。

この2回、役割がはっきり分かれとるのがミソやねん。

呼び名 やっとること
1回目(初溜) ウォッシュスチル まず集める。ウォッシュからアルコールと香味成分を集めて濃くする
2回目(再溜) スピリッツスチル 真ん中を選ぶ。さらに濃くしながら、前・真ん中・後ろに分けて、熟成へ送る部分を選ぶ

つまり「1回目で集める → 2回目で選ぶ」。これで覚えたら、もう忘れへんはずや。

段階 度数の目安
もろみ(ウォッシュ) 約7〜9%
1回目のあと(ローワイン) 約20〜25%
2回目のあと(ニューメイク 60〜70%台

※度数はいずれも目安やで。蒸溜所によって幅があるからな。

ちなみにアイリッシュウイスキー3回蒸溜で知られる銘柄も多いけど、2回蒸溜のとこもある。回数を増やすと最終的な度数は高くなって、酒質にも違いが出るで。ただし「3回やから必ず軽い」っちゅう単純な話でもないねん。あとで出てくるカットや、スチルの形も効いてくるからな。

🏭 ウイスキー全部が「ポットスチルで2回」やないで

ここまで話しとるんは、主にモルトウイスキーのポットスチル蒸溜や。

グレーンウイスキーのほうは、原料を続けて送り込みながら蒸溜できる連続式蒸溜機を使うんが一般的やねん。同じスコッチでも、モルトとグレーンでは蒸溜の仕組みがちゃうっちゅうことやな。

連続式が気になった人は、カフェスチル(連続式蒸留)の記事へどうぞ。

✂️ カット|どこを樽へ連れていくか決める

2回目の蒸溜で出てくる液体は、最初から最後まで同じ味やない

出てくる順 呼び名 どんなもんか
はじめ 前溜(ヘッド) 香りは荒く、刺激が強い
真ん中 ハート 香りが豊かでバランスがええ。ここを樽へ
おわり 後溜(テール) 重たくて、苦みや雑味が出てくる

この真ん中(ハート)だけを取る作業をカットっちゅうねん。

どこからどこまでを取るかは、蒸溜後の酒質を左右する大事なポイントや。ただしカットだけで味が決まるわけやないで。スチルの形、加熱のしかた、蒸気の戻り具合……そういうもんと並んで、蒸溜所の個性が出るところやと思といてな。

ほんで前溜と後溜は、そのまま捨てられるとは限らへん。次の蒸溜へ戻して、もういっぺん通す運用もあるんやで。

🗣️ マッサンの一言

蒸溜って「アルコールを濃くする作業」やと思われがちやけどな。
ワイは「どこを樽まで連れていくか決める作業」やと思うとる。
前から後ろまで全部を熟成に回すんやない。真ん中のどこからどこまでを選ぶかで、酒の顔が変わる。
「この香りは連れていく。ここから先は次に回そ」——そんな選択の積み重ねが、あの一杯になっとると思うたら、おもろいやろ🥃

🎁 まとめ

  • 🥃蒸溜=アルコールを濃くしながら、香味成分を取り出す工程(7工程の⑤番目)
  • 🥃「78℃にしたらアルコールだけ飛ぶ」はちゃう。水も一緒に蒸気になる。ただし蒸気のほうがアルコールを多く含むから濃くなる
  • 🥃スコッチのモルトは2回蒸溜が主流。1回目で集めて、2回目で選ぶ
  • 🥃グレーンは連続式蒸溜機が一般的。ウイスキー全部がポットスチル2回やない
  • 🥃カットで「どこを樽へ連れていくか」を決める。ただしカットだけで味が決まるわけでもない

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