マッサンやで。
ウイスキーの7工程でいちばん地味やと思われとるんが、たぶんここや。粉砕(ミリング)。
「麦芽を挽くだけやろ?」——ワイも最初そう思とった。
せやけど細かすぎたら麦汁が抜けにくくなるし、粗すぎたらデンプンをうまく取り出せへん。挽き方ひとつで、次の糖化の効率も取れる酒の量も変わる。めちゃくちゃ大事な地味仕事やったで🥂
※この記事は伝統的なマッシュタンを使うモルトウイスキーを軸に解説するで。設備によっては、殻のろ過層に頼らへんやり方もある。
🥃 一言結論
粉砕(ミリング)=乾燥した麦芽を挽いて、グリストにする工程や。
伝統的なモルト蒸溜所では、麦の殻をできるだけ残したまま、中の胚乳を砕けるローラーミルがよう使われとる。
大事なんは「細かくすること」やのうて粗さの配分。グリストを粒の大きさで見ると殻(ハスク)・粗い粒(グリッツ)・粉(フラワー)の3つに分けられて、それぞれ役どころがちゃうんや。
伝統的なマッシュタンで出発点としてよう挙げられるんが殻2割・粗い粒7割・粉1割。ただし固定の規格やないで。
細かすぎたら麦汁が抜けにくい。粗すぎたらデンプンを取り出しにくい。この加減が次の糖化の出来を決めるんやで。
グリストにハスク、グリッツ……いきなり知らん言葉が並んでもうたな。ここから一個ずつ噛み砕いていくから、安心して読んでな🥂
🌾 グリストは3つの粒度で見る
麦芽をミルにかけると、大きさのちがう粒が混ざった状態になる。これがグリストや。
ミルから3種類が別々に出てくるんやないで。混ざって出てきたグリストをふるいにかけて粒の大きさで見ると、3つの区分に分けられるっちゅう話や。
ほんで、この3つとも役どころがちゃう。
| 3つの区分 | 何もんか | 役どころ |
|---|---|---|
| 殻(ハスク) | 麦の外側の皮。できるだけ大きく残す | 伝統的なマッシュタンでは、麦汁を抜くときの天然のろ過層になる |
| 粗い粒(グリッツ) | デンプンと酵素を多く含んだ胚乳の部分 | 湯を吸って、デンプンが糖に変わる中心。取り出す成分の大半がここ |
| 粉(フラワー) | 細かく砕けた胚乳など | 湯に触れやすい。ただし多すぎると麦汁が濁ったり、流れにくくなる |
とくに殻の役割を知ったときは唸ったわ。
糖化のあと、甘い麦汁だけを下から抜き取らなアカン。そのとき殻が積み重なって、天然のこし器になるんや。せやから粉砕では、中身を砕きながら殻はできるだけ壊さんように残す。
殻が細かく砕けすぎたら、ろ過層がうまく組めんくて麦汁が流れにくくなる。
※ただし、これは伝統的なマッシュタンの話や。マッシュフィルターみたいに、殻のろ過層に強く頼らへん設備もあるで。
🗣️ マッサンの一言(独断・偏見・妄想込み)
これ知ってから、ワイは麦の殻を見る目が変わったで。
ふつうやったら、外側の皮なんか邪魔に見えるやろ? それをわざと壊さんように残して、こし器として働かせるっちゅう発想や。
邪魔もんやと思っとったやつに、ちゃんと持ち場がある。こういう場面に出会うと、この酒の作り方がよう出来とるなぁと唸るわ🥂
⚖️ 配分が肝|細かすぎても粗すぎてもアカン
じゃあ細かく挽けばええんか——っちゅうと、そうでもない。どっちに振ってもアカンのがこの工程や。
| 挽き方 | 起きること |
|---|---|
| 細かすぎる | 湯には触れやすい。せやけど粉が固まって目詰まりして、液が抜けへんようになる |
| 粗すぎる | 液はよう抜ける。せやけど湯が中まで届かんから糖を取り出しにくい |
ほんで、業界でよう「典型」として挙げられる配分がこれや。
殻2割・粗い粒7割・粉1割。
ディアジオの公式サイトも、麦芽メーカーもこの比率を挙げとる。
※これは法律や業界団体の規格やのうて、伝統的なマッシュタンでよう使われる「出発点」やで。
麦芽メーカーのCrisp Maltは、粗い粒76%・殻14%・粉10%でようけ収率を出しとる蒸溜所の例も紹介しとる。マッシュタンの造り、ろ過板の細かさ、撹拌の仕組み、麦芽の出来——ぜんぶで「ちょうどええ配分」は変わるんや。
おもろいのが、挽き方がニューメイク(樽に入れる前の新酒)の香りの成分にまで響くっちゅう研究があることや。
2024年の実験では、粗く挽くほど麦汁が濁りやすくなって、果実っぽさに関わるエステルが少なくなる傾向が出とる。ワイは逆やと思い込んどったから、これは意外やった。
※ただしこれは実験室規模・ディスクミル・熟成前の新酒を測った結果や。「挽き方だけで完成したウイスキーの味が決まる」っちゅう話やないで。
それでも、ただ挽くだけの工程が、収率だけやのうて発酵を通った酒の香りにまで関わっとるかもしれん。地味に見えて、なかなか奥が深いやろ。
🗣️ マッサンの一言(独断・偏見・妄想込み)
ワイ、この「細かくしたらええわけやない」っちゅう話が好きでな。
しかもちょうどええ配分は一個やない。マッシュタンの造りがちがえば変わるし、麦芽の品種や出来、保管の具合でも砕け方が変わる。
せやから現場では、挽いたグリストをふるいにかけて配分を確かめて、必要に応じてローラーの隙間を細かく詰めていく。
飲んだだけでは誰も気づかへん調整やと思うけど、こういう積み重ねが毎日の仕込みを支えとるんやろなぁ🥂
🏭 グレーンウイスキーやと挽き方が変わる
ここまでは、伝統的なマッシュタンを使うモルトウイスキーの話や。
スコッチのグレーンウイスキーは、発芽させてへん小麦やトウモロコシが主原料や。そのままではデンプンを糖に変えられへんから、酵素の働きが強い大麦麦芽を足して補う。
原料がちがえば、挽き方の狙いも変わる。大麦麦芽の殻をろ過層にする、っちゅう前提が同じやないからな。
穀物をもっと細かく挽いて、加熱してデンプンを使える状態にしてから発酵に送る方式もある。いっぽうで麦汁を分けてから発酵させる設備もある。
「グレーンなら必ずこの方式」とは言えへん。ただ、原料と設備が変われば求められる挽き方も変わる——そこは確かやで。
🤔 よくある質問
Q. グリストって何?
A. 挽いた麦芽ぜんぶの呼び名や。殻・粗い粒・粉が混ざった状態を指すで。これを温かい湯と混ぜたら糖化が始まる。
Q. なんで殻を取り除かへんの?
A. 伝統的なマッシュタンでは、殻が天然のろ過層になるからや。
殻を細かく壊しすぎたり、極端に減らしたりすると、麦汁が流れにくくなることがある。
ただしマッシュフィルターみたいに、殻に強く頼らへん設備もあるで。
Q. 挽き方で味は変わる?
A. 新酒の香りの成分に影響する可能性はあるで。
挽き方が変わると麦汁の濁りや中身が変わって、それが酵母の働きにも響く。実験室規模の研究では、挽き方によってニューメイクの一部のエステルの量が変わっとる。
ただし粉砕だけで完成したウイスキーの味が決まるわけやないで。
Q. 家でミルサーで挽いたらアカンの?
A. 麦芽を挽くこと自体は問題やないで。
ただし家庭用のミルサーは細かい粉になりやすい。殻を大きく残したまま胚乳だけ砕く蒸溜所のローラーミルとは、仕上がりがぜんぜんちゃうねん。
ほんで日本では、アルコール分1度以上の酒を造るには酒類製造免許が要る。挽くとこまでで止めて、あとは味わう側を楽しもうや。
🎁 まとめ:地味やけど、外せへん
粉砕は、乾燥した麦芽を挽いてグリストにする工程。狙うんは「細かさ」やのうて配分や。
殻は、伝統的なマッシュタンで麦汁を抜くためのろ過層になる。
粗い粒には、糖に変わるデンプンと酵素が多く入っとる。
粉は湯に触れやすいけど、多すぎると麦汁が流れにくくなる。
よう挙げられる「殻2割・粗い粒7割・粉1割」は、あくまで出発点や。蒸溜所は自分とこの設備と麦芽に合わせて、ちょうどええ配分を探しとる。
細かすぎたら流れへん。粗すぎたら取り出せへん。糖化が始まる前から、もう勝負は始まっとるっちゅうことやな。
🗣️ マッサンの一言(独断・偏見・妄想込み)
今日いちばん覚えて帰ってほしいんは、「麦芽は粉々にしたらええわけやない」っちゅうことや。
中の胚乳は、湯が届くように砕く。外側の殻は、こし器として働けるように残す。
壊すとこと、壊したらアカンとこを見極める。いちばん地味に見える工程にも、ちゃんと造り手の加減があるんやなぁ。ほな、乾杯🥂


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