ザ・バルヴェニー12年 ダブルウッドは、スコットランドのスペイサイド、ダフタウンにあるバルヴェニー蒸溜所の、定番のシングルモルト。グレンフィディックとは姉妹の蒸溜所や。
名前の「ダブルウッド」は、2種類の樽のこと。アメリカンオーク樽で12年以上寝かせたあと、オロロソシェリー樽(※1)に移してさらに9か月。2つ目の樽で仕上げる後熟(※2)という製法で造られとる。
ワイが感じたのは、はちみつとバニラの香りに、レーズンの甘さとクリーミーな口当たり。余韻は暖かく広がって、バニラとレーズンにスパイス感が重なる。
(※1)オロロソシェリー樽=スペインの酒精強化ワイン「シェリー」のうち、辛口で香ばしいオロロソを寝かせた樽。くわしくはオロロソシェリー樽の用語記事へ
(※2)後熟=ある樽で寝かせたウイスキーを別の樽に移して、仕上げること。フィニッシュとも呼ぶ。くわしくはフィニッシュ(追熟)の用語記事へ
【結論】こんな人におすすめ
- ✅はちみつとバニラの、甘くやさしい香りが好きな人
- ✅シェリー樽の果実の甘さを、重たすぎずに楽しみたい人
- ✅1万円以下で、シェリー樽で仕上げた12年熟成を探しとる人
- ✅後熟(フィニッシュ)がどんなものか、1本で知りたい人
逆に、アイラみたいな煙や、ガツンと濃いシェリー樽の甘さを求める人には、やさしすぎると思うで。
ザ・バルヴェニー12年 ダブルウッドの基本情報
| 商品名 | ザ・バルヴェニー12年 ダブルウッド(The Balvenie DoubleWood 12 Year Old) |
| 蒸溜所 | ザ・バルヴェニー蒸溜所(スコットランド・スペイサイドのダフタウン) |
| タイプ | シングルモルト・スコッチウイスキー |
| 熟成 | アメリカンオーク樽で12年以上 → オロロソシェリー樽で9か月 |
| アルコール度数 | 40% |
| 内容量 | 700ml |
| 実勢価格 | 税込7,500〜8,200円くらい |
| 発売 | 1993年 |
| 所有会社 | ウィリアム・グラント&サンズ |
| 日本の正規代理店 | ブラウンフォーマンジャパン |
テイスティング
👃 香り
📕 公式テイスティング
蜂蜜とバニラが重なり合った、甘いフルーツの香り
🗣️ マッサンの感想
グラスを近づけると、まずとろりとしたはちみつの甘い香り。その後ろから、バニラがふんわり重なってくる。
👅 味わい
📕 公式テイスティング
ナッツの甘みとスパイシーなシナモン、シェリーの繊細な風味が調和した、なめらかでまろやかな味わい
🗣️ マッサンの感想
口に入れると、バニラの甘さが先に広がって、あとからレーズンの果実の甘さが追いかけてくる。口当たりはとろっとクリーミーで、角がない。
🏁 余韻
📕 公式テイスティング
温かみのある豊かな余韻
🗣️ マッサンの感想
飲み込んだあと、バニラとレーズンの甘さがじんわり暖かく広がる。最後にスパイス感がピリッと顔を出して、甘さをきゅっと締めてくれる。
🗣️ マッサンの一言
はちみつ、バニラ、レーズン。甘さが順番に顔を出して、最後はスパイスが引き締める。甘いのにしつこくないから、はちみつ系の甘さが好きな人にまず試してほしい12年や。
「ダブルウッド」は、2つの樽で仕上げるという意味
ダブルウッドの造りは、3つの段階に分かれとる。
- 12年以上の熟成:アメリカンオーク樽(バーボン樽とホッグスヘッド(※1))で寝かせる
- 9か月の後熟:スパニッシュオーク(※2)のオロロソシェリー樽に移して仕上げる
- 3〜4か月のマリッジ(※3):オークの大きな桶に移して、樽ごとの原酒をなじませる
1つ目のアメリカンオーク樽は、原酒をまろやかにして、バニラとスパイスの温かみを与える。2つ目のシェリー樽が足すのは、果実と蜂蜜の深み。
この後熟の製法は1983年に、当時のモルトマスター(※4)、デヴィッド・スチュワートが考え出したもの。その製法で1993年に売り出されたのが、このダブルウッドや。
(※1)ホッグスヘッド=容量250リットルほどの樽。バーボン樽を組み直して作ることが多い
(※2)スパニッシュオーク=スペインなどヨーロッパで育つオーク。シェリー樽によう使われる。くわしくはスパニッシュオーク(ヨーロピアンオーク)の用語記事へ
(※3)マリッジ=混ぜ合わせた原酒を、しばらく寝かせてなじませること。くわしくはマリッジの用語記事へ
(※4)モルトマスター=樽ごとの熟成を見極めて、味を決める責任者
グレンフィディックと同じ敷地の、姉妹蒸溜所
バルヴェニー蒸溜所は、グレンフィディック蒸溜所と同じ敷地に建っとる。どっちも、グレンフィディックの創業者ウィリアム・グラントが建てた蒸溜所や。
名前は、すぐ近くの古城「バルヴェニー城」から。ゲール語で「山の麓の集落」という意味なんや。
水は、近くのコンヴァルヒルの泉から。グレンフィディックと同じ原料を使いながら、造り方のちがいで、まったく別の性格のモルトになる。
いまも続ける、5つの職人技
バルヴェニーは「5つの職人技」を守っとる蒸溜所として知られとる。
・自分らで育てる大麦
・フロアモルティング(※1)
・敷地に常駐する銅器職人
・敷地に常駐する樽職人
・モルトマスター
モルトマスターのデヴィッド・スチュワートは、スコッチウイスキーの世界でいちばん長くモルトマスターを務めた人。2022年からは、6年の見習いを経たケルシー・マッケニーが引き継いどる。バルヴェニーの歴史で3人目のモルトマスターなんや。
(※1)フロアモルティング=水に浸した大麦を床に広げて、職人が手で返しながら芽を出させる、昔ながらの製麦(大麦を麦芽にする工程)。いまのスコットランドでは数少なくなった
🧐 へぇ〜! ボトル豆知識(タップで開く)
幽霊が住んどる蒸溜所?
バルヴェニーには、住み込みの幽霊「グリーンレディ」の言い伝えがある。2026年5月に数量限定で出た、ダブルウッドの限定デザインの筒にも登場。モルトハウス(大麦を麦芽にする建物)の煙突から立ちのぼる煙が、グリーンレディの姿になっとるんや。デザインしたのは、香港出身のイラストレーター、ヴィクト・ンガイさん。
樽からこっそり抜く「ディッピングドッグ」
昔の蒸溜所には、樽からウイスキーをこっそり抜き取るための、銅でできた隠し筒があった。名前は「ディッピングドッグ」。限定デザインの筒では、小川から見守るスコティッシュ・ディアーハウンド(犬)が、この隠し筒へのオマージュとして描かれとる。
メリット・デメリット
✅ メリット
- ✅後熟の定番を知れる:1983年に考え出された後熟の製法で造る、バルヴェニーの代表的な1本
- ✅手に入りやすい:Amazon・楽天・Yahoo!のどこでも見つかる定番品
- ✅グレンフィディックと飲み比べができる:同じ敷地に建つ姉妹蒸溜所。同じ12年どうしで並べやすい
❌ デメリット
- ❌40%で、パンチは控えめ:ガツンと強い1本が好きな人には、やさしく感じるはず
- ❌シェリー樽での後熟は9か月:シェリー樽で長く寝かせた濃い甘さを求める人には、軽く感じると思う
- ❌グレンフィディック12年より高い:実勢で3,000円ほど高い
🗣️ マッサンの一言
パンチは控えめでも、そのぶん、はちみつとバニラの甘さにじっくり向き合える。グレンフィディック12年より高いけど、12年以上寝かせた原酒を、さらにシェリー樽で9か月仕上げとる。その手間を思えば納得や。派手さより、やさしい甘さで勝負する1本やな。
姉妹のグレンフィディック12年と比べる
| バルヴェニー12年 ダブルウッド | グレンフィディック12年 | |
|---|---|---|
| 樽 | アメリカンオーク樽で12年以上 → オロロソシェリー樽で9か月 | アメリカンオークのバーボン樽+スパニッシュオークのシェリー樽 |
| テイスティングノート(香り) | 蜂蜜とバニラ、甘いフルーツ | 果実が主役、洋梨 |
| 度数 | 40% | 40% |
| 実勢価格(700ml・税込) | 7,500〜8,200円くらい | 4,300〜4,700円くらい |
| うちのレビュー | この記事 | グレンフィディック12年 |
同じ会社が造る12年どうしで、いちばんちがうのは樽の使い方。グレンフィディック12年は、バーボン樽とシェリー樽で寝かせた原酒を合わせて造る。バルヴェニーは、アメリカンオーク樽で12年以上寝かせた原酒を、最後にシェリー樽へ移して9か月仕上げる。
香りも、グレンフィディックは洋梨のさわやかな果実、バルヴェニーははちみつとバニラの甘さ。姉妹で並べて飲み比べるのも楽しいで。
おすすめの飲み方|まずはストレート、少しの加水も
ストレート、ロック、少しの加水。バルヴェニーがすすめとるのは、この3つの飲み方や。
まずはストレートで、はちみつとバニラの香りをそのまま楽しみたい。そのあと水を数滴たらして、加水で香りの変わり方を見るのもええで。
ロックなら、氷が溶けていくにつれて変わる味も楽しめる。
ハイボールなら、はちみつの甘い香りがどう変わるかも楽しみやな。
🥃 ウイスキー専門店でも探す
品揃え豊富な専門店なら、レア銘柄や限定品も見つかりやすいで。価格を比べる時の選択肢に入れてみてな。
▶ 武川蒸留酒販売(山梨の洋酒専門店・品数豊富でコスパ◎)
▶ MALKS(モルクス)(ベルーナ運営・希少/限定ボトルに強い)
📰 当サイトのガイド記事:ウイスキーを安く買う方法|5大通販ショップの賢い選び方
まとめ|はちみつとバニラ、2つの樽で仕上げる12年
ザ・バルヴェニー12年 ダブルウッドは、1983年に生まれた後熟の製法で造る、バルヴェニーの定番や。
ワイが感じたのは、はちみつとバニラの香りに、レーズンの甘さとクリーミーな口当たり。余韻は暖かく、最後にスパイスが残る。
🗣️ マッサンの一言
グレンフィディックの隣で、手づくりの職人技を守りながら造られとる12年や。はちみつとバニラのやさしい甘さに、ほっと肩の力が抜けるで。家でゆっくり過ごす夜に、ストレートでどうや?
よくある質問
Q. スモーキー?
A. 煙を楽しむタイプやない。はちみつとバニラの甘さが中心の、やさしい味わいや。
Q. カラフルな絵の筒のダブルウッドは、中身がちがう?
A. 中身は同じダブルウッド12年(40%・700ml)。2026年5月に数量限定で出た、筒のデザインだけがちがう限定品や。父の日のギフト向けに、一部の店で売り出された。
公式情報・参考リンク
📰 ザ・バルヴェニーの公式情報ほか
- PR TIMES(ブラウンフォーマンジャパン):「ザ・バルヴェ二ー」より四季の移ろいを表現した、限定デザインパッケージが数量限定で登場
- サントリー:バルヴェニー 製品情報
- サントリー:バルヴェニー 蒸溜所
- サントリー:バルヴェニー 伝統的なフロアモルティング
- サントリー:バルヴェニー 後熟を開発したモルトマスター
- The Balvenie(US):The Balvenie DoubleWood 12(英語)
- William Grant & Sons:Kelsey McKechnie(英語)
※アイキャッチ画像出典:楽天ビック(ビックカメラ×楽天)
※価格・スペック・発売情報は本記事執筆時点のもの。
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📖 この記事に出てきた用語(タップで辞典へ)
分からん言葉があったら、ここから用語辞典でサクッと確認してな。
シェリー樽…スペインの酒精強化ワイン「シェリー」を熟成させた樽や、ウイスキー用にシェリーで風味づけ(シーズニング)した樽。中身のシェリーの種類で味の向きが変わるんや。
オロロソ(シェリー樽)…酸化熟成でつくる辛口のシェリー。この樽で寝かせたウイスキーに、ドライフルーツ・ナッツ・黒糖みたいなコクのある風味が移るで。
酒精強化(ワイン)…ブドウ由来の蒸留酒を足して度数を上げたワイン。ポートは発酵の途中で止めるから甘口、シェリーは発酵をやり切ってから足すから辛口が基本やで。
オーク…ウイスキー熟成の主要樽材。アメリカン(甘いお菓子系)/ヨーロピアン・スパニッシュ(濃厚ドライフルーツ系)/ミズナラ(和のお香系)/フレンチ(上品スパイス系)などの樽材で香味の方向性が決まる。
アメリカンオーク…バーボン樽の主役(Quercus alba)。バニリンとラクトンが豊富で、バニラ・ココナッツ・キャラメル系の甘い樽香を生む。世界のウイスキーの主力熟成樽やで。
スパニッシュオーク(ヨーロピアンオーク)…シェリー樽の伝統主役(Q.robur/Q.petraea)。タンニンが多く濃厚ドライフルーツ・スパイス・深い色合いを生む。マッカランやグレンファークラスの看板素材や。
フィニッシュ(追熟)…熟成の仕上げに、別の樽へ移して短期間寝かせること。最後にその樽の風味を上乗せする技や。

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